ユース ケース モード

Versal ACAP CPM CCIX アーキテクチャ マニュアル (AM016)

Document ID
AM016
Release Date
2020-11-24
Revision
1.1 日本語

このセクションでは、CCIX モードの動作およびトランザクション フローについて概説します。次の図に、CPM における 3 つの CCIX エージェントのトランザクション フローの概要を示します。

図 1. CCIX エージェントのトランザクション フロー概要
注記: 図中の数字は、この後のセクションのトランザクション フローを表す番号に対応しています。フローの順番とは関係ありません。

CCIX は従来の VC0 パスを使用してユーザー カーネル (制御パス動作) およびアドレス変換サービス (ATS) をプログラムし、複数のユーザー カーネルが直接仮想アドレスを扱えるような共有仮想メモリ パラダイムを可能にします。これは、アウトバウンド PCIe 要求 (ATS 要求など) パスとインバウンド PCIe 要求 (ユーザー カーネルのレジスタ プログラムなど) パスによって表されます。CPM の各種エージェントおよびモードに関する Vivado CIPS (Control, Interfaces, and Processing System) のコンフィギュレーション オプションの概要は、CIPS GUI を使用した CPM-CCIX のコンフィギュレーション を参照してください。

次の CCIX エージェント タイプがサポートされます。

リクエスト エージェント (RA)
RA は、読み出しおよび書き込みトランザクションのソースとなる CCIX エージェントです。各 CCIX RA は、1 つまたは複数の内部イニシエーターまたは AF (Acceleration Function) を持つことができます。トランザクション フローに関しては、プログラマブル ロジックに実装されたユーザー カーネルが読み出しまたは書き込み要求 (アウトバウンド CCIX 要求) を発行紙、リモート HA がスヌープ (インバウンド スヌープとして表示) を発行します。
HA (Home Agent)
HA は、特定のアドレス範囲に対するコヒーレンシとメモリ アクセスを管理する CCIX エージェントです。あるキャッシュ ラインに対してキャッシュ ステートの変更が必要な場合、HA は必要な RA に対してスヌープ トランザクションを送信することでコヒーレンシを管理します。各 CCIX HA は、特定のアドレスに対する PoC (Point of Coherency) および PoS (Point of Serialization) として動作します。トランザクション フローに関しては、ホスト側のリモート RA が読み出しまたは書き込み要求 (インバウンド CCIX 要求) を発行し、ローカル RA (PL 内のカーネル) も有効な場合は、ローカル メモリに対する要求 (ローカル ホーム メモリに対する CCIX 要求) が発生します。
SA (Slave Agent)
CCIX では、外部 CCIX デバイスに接続されたメモリを含めるようシステム メモリを拡張できます。HA が別チップに存在する場合、新しいアーキテクチャ コンポーネント (拡張メモリ) を SA (Slave Agent) と呼びます。RA が SA に直接アクセスすることはありません。RA は常に HA にアクセスし、HA が SA にアクセスします。トランザクション フローに関しては、SA は常にリモート HA からメモリ要求を受信します (インバウンド CCIX 要求)。

PCI Express 用統合コントローラーは 2 つあるため、各エージェントはシングル ポートまたはデュアル ポート構成でサポートされます。複数の CCIX ポートを束ねると、2 つの CCIX デバイス間の接続帯域幅を拡大できます。これを、ポート アグリゲーションと呼びます。ポート アグリゲーションは、デュアル ポート構成でサポートされます。

CCB (キャッシュ コヒーレント ブロック) バイパス モードでは、CPM から使用されるのはトランスポート (CCIX 対応 PCIe コントローラー) のみです。CXS インターフェイスは PL からアクセス可能になり、PL 内のソフト IP に接続できるようになります。このソリューションは、CCIX 対応デバイスの Virtex UltraScale+ デバイス ファミリで提供される CCIX ソリューションに非常に類似しています。ザイリンクスは、RA (リクエスト エージェント) を実装する System Cache IP を提供しています。詳細は、 『System Cache LogiCORE IP 製品ガイド』 PG118) を参照してください。