AIE-ML イベント

Versal アダプティブ SoC AIE-ML アーキテクチャ マニュアル (AM020)

Document ID
AM020
Release Date
2023-11-10
Revision
1.2 日本語

AIE-ML とメモリ モジュールには、それぞれイベント ロジック ユニットがあります。各ユニットには、いくつかのローカル イベントが定義されています。次の図に、AIE-ML タイル内のイベントの概略的な論理構成を示します。イベント ロジックは、メモリ マップド AXI4 インターフェイスを介してプログラムできる一連のアクション レジスタを使用して設定する必要があります。AIE-ML とメモリ モジュールのそれぞれに、イベント ロジックに関連するレジスタ セットがあります。特定イベントの発生時にタスクを実行するように、イベント アクションを設定できます。また、イベント信号を隣接するモジュールに送信するブロードキャスト ロジックも 2 つあります。

図 1. AIE-ML タイル内のイベント

イベント アクション

イベント自体にアクションはありませんが、イベントを使用してアクションを作成できます。イベント ブロードキャストとイベント トレースを設定して、イベントを監視できます。イベント アクションの例には、次のものがあります。

  • AIE-ML のイネーブル、ディスエーブル、またはリセット
  • AIE-ML のデバッグ停止、再開、またはシングル ステップ実行
  • AIE-ML のエラー停止
  • タイマーの再同期
  • パフォーマンス カウンターの開始および停止
  • トレース ストリームの開始および停止
  • ブロードキャスト イベントの生成
  • コンボ イベントの駆動
  • ECC スクラビング イベント

これらのイベント アクションにはいずれも関連するレジスタがあり、そこで設定した 7 ビットのイベント番号を使用して、特定のイベントでアクションをトリガーするように設定します。

イベント ブロードキャスト

ブロードキャスト イベントは、設定済みのイベントがアサートされたときにトリガーされるため、イベントでもありイベント アクションでもあります。次に、AIE-ML タイル内のブロードキャスト ロジックの論理構成を示します。AIE-ML およびメモリ モジュール内にあるブロードキャスト ロジック内のユニットは、4 方向すべてから入力を受信し、4 方向すべてに信号を送信します。ブロードキャスト ロジックはイベント ロジックに接続され、イベント ロジックがすべてのイベントを生成します。送信されるイベントを選択するコンフィギュレーション レジスタと、イベントが AIE-ML タイルから送信されるのを阻止するマスク レジスタがあります。

図 2. AIE-ML ブロードキャスト イベント

各モジュールには、ブロードキャスト イベント信号をほかの方向にブロードキャストするように指定する内部レジスタがあります。ブロードキャスト ループを防ぐために、受信したイベント信号と内部イベントを OR 演算し、次のリストに従って、送信されるイベント信号を駆動します。

  • 内部、右、上、下 → 左
  • 内部、左、上、下 → 右
  • 内部、下 → 上
  • 内部、上 → 下
ヒント: AIE-ML モジュールの右側のブロードキャスト イベント インターフェイスは、メモリ モジュールの左側のブロードキャスト イベント インターフェイスに内部で接続され、AIE-ML タイルからは出力されません。AIE-ML モジュールには、上、下、および左方向にそれぞれ 16 のブロードキャスト イベントがあります。メモリ モジュールには、上、下、および右方向にそれぞれ 16 のブロードキャスト イベントがあります。