SPI バス送信の波形およびタイミング バジェット - 3.1 日本語

UltraScale Architecture Soft Error Mitigation Controller v3.1 LogiCORE IP 製品ガイド (PG187)

Document ID
PG187
Release Date
2019-05-22
Version
3.1 日本語

SPI フラッシュ デバイスには、入力クロックを基準とした入力データのスイッチ特性に関する要件があります。
ここでは、システム レベル サンプル デザインから受信したデータを SPI フラッシュ デバイスでキャプチャする場合について解析します。

図 G-2: SPI フラッシュ デバイスの入力データ キャプチャ要件

X-Ref Target - Figure G-2

X22337-sem-spi-data-input.jpg

この図 に示したように、SPI フラッシュ デバイスがデータを正しく取り込むための要件として次のパラメーターが定義されています。

T dvch = クロックを基準とした SPI フラッシュの最小データ セットアップ時間

T chdx = クロックを基準とした SPI フラッシュの最小データ ホールド時間

この解析は、最小伝搬遅延を 0 と仮定しています。また、次に示すスキューが無視できるものと仮定しています。

FPGA 出力フリップフロップへの入力クロック分配のスキュー。

FPGA 出力フリップフロップから FPGA ピンへの出力信号パスのスキュー。

PCB レベル変換器のチャネル遅延のスキュー。この条件を満たすには、クロックとデータパスのレベル変換器の遅延が一致していなければなりません。

PCB トレース セグメント遅延のスキュー。この条件を満たすには、クロックとデータパスのトレース遅延が一致していなけばなりません。

デューティ サイクルの歪み。

SPI フラッシュ マスター ヘルパー ブロックと PCB のインプリメンテーション パラメーターとして次のパラメーターが定義されています。

T clk = 入力クロック サイクル時間 ( icap_clk )

T qfpga = icap_clk を基準とした FPGA 出力遅延

T w1 = FPGA からレベル変換器までの PCB トレース遅延

T w2 = レベル変換器から SPI フラッシュまでの PCB トレース遅延

T dly = レベル変換器のチャネル遅延

この図 に、SPI フラッシュ マスター ヘルパー ブロック インプリメンテーションによって生成されるメモリ システムの信号を示します。

図 G-3: 入力データ キャプチャのタイミング

X-Ref Target - Figure G-3

X15965-sem-spi-data-capture.jpg

前述の仮定により、クロックとデータパスの遅延はどちらも同じで、PVT (プロセス、電圧、温度) ばらつきの影響も同じです。次の関係が成り立ちます。

T clk T dvch

T clk T chdx

例:

T dvch = 1.75ns (SPI フラッシュのデータシートより)

T chdx = 2ns (SPI フラッシュのデータシートより)

1. 計算: T clk T dvch 、すなわち T clk 1.75ns

2. 計算: T clk T chdx 、すなわち T clk 2ns

T clk に対するこれらの要件により、SPI バス送信の波形およびタイミング バジェットではシステム レベル サンプル デザインの入力クロック サイクル時間が 2ns 以上に制限されます。