エラー挿入のガイダンス - 3.1 日本語

UltraScale Architecture Soft Error Mitigation Controller v3.1 LogiCORE IP 製品ガイド (PG187)

Document ID
PG187
Release Date
2019-05-22
Version
3.1 日本語

SEM IP には、コントローラーの検証およびコントローラーのアプリケーション評価に役立つエラー挿入機能があります。一般に、どのようなタイプのエラー挿入を実行するかはその目的によって決まります。

目的: 基本的なエラー挿入テスト

このエラー挿入を実行するのは、その目的が次に該当する場合です。

コントローラーがエラーを検出および訂正できているかを確認する。

検出および訂正されたエラーのログをシステムが正しく記録できているかを確認する。

エラーによってデザインの機能が影響を受けた場合のシステムの動作はテスト対象に含めない。

エラー挿入位置は次のとおりです。

フレームの ECC ワードにエラーを挿入します。

UltraScale™ アーキテクチャの場合、ECC ワードは各フレームのワード 60 と 61 にあります。ザイリンクスは、ワード 61 の下位バイトにエラーを挿入することを推奨しています。

UltraScale+™ FPGA および MPSoC の場合、ECC ワードは各フレームのワード 45 と 46 にあります。ザイリンクスは、ワード 46 の下位バイトにエラーを挿入することを推奨しています。UltraScale+ デバイスの多くは、プロセッシング システムが存在するかどうかや、使用するかどうかにかかわらず、コンフィギュレーション メモリにプロセッシング システムの統合をサポートするために予約されたアドレス範囲が存在します。これらの予約アドレスに挿入されたエラーは検出されません。一般的な指針として、物理的に実装されたコンフィギュレーション メモリにマップするアドレスを選択するには、(2/3 x 最大リニア フレーム) より大きいリニア フレーム アドレス (LFA) を使用することを推奨します。

この位置にエラーを挿入すると、コントローラーやデザインの機能に影響を与えずにエラーを挿入できます。

エラー挿入の目的が上記に当てはまらない場合は、サポート ケースを開いて問い合わせてください。

次に、コントローラーのモニターまたはコマンド インターフェイスを使用してエラーを挿入する際の一般的な注意点をまとめます。

リニア フレーム アドレス (LFA) を使用してエラー挿入を実行します。有効なアドレス範囲は 0 ~ (最大 LFA 値 – 2) です。たとえば XCKU040 の場合、最大フレームは 26,179 です。したがって、エラー挿入の有効なアドレス範囲は 0 ~ 26,177 (26,179 – 2) です。各デバイスの最大 LFA 値は 表: コンフィギュレーション フレームの最大数 に示してあります。また、コントローラーから出力されるステータス レポートにも「MF {8-digit hex value}」として表示されます。

エラー挿入の前後には必ず Query コマンドを実行してエラー挿入が正しく実行されたこと、およびビットの読み出し/書き込みがマスクされていないことを確認してください。

エラーは一度に 1 つのみ挿入します。コントローラーが挿入ステートを経由してアイドル ステートに戻ったことを確認してから、次のエラー挿入を実行してください。アイドル ステート以外でエラー挿入命令はドロップされるか失われます。

エラー挿入の際は、最も包括的な情報が得られるモニター/UART インターフェイスを使用してコマンドの送信およびステータスの監視を実行することを推奨します。

コマンド インターフェイスを使用する場合は、コントローラーがアイドル ステートに移行したことをステータス インターフェイスで確認してからエラーを挿入してください。また、エラー挿入コマンドを実行後にコントローラーがエラー挿入ステートに移行することもステータス インターフェイスで確認してください。

挿入した 1 ビット エラーがコントローラーによって検出されない場合、別のビットにエラーを挿入する前にもう一度同じビットへのエラー挿入を試みてください。

一度に複数ビットのエラーを挿入する場合、訂正されなかったエラー ビットをすべて元に戻してから次のエラー挿入を実行してください。または、デバイスをプログラムし直してからエラー挿入テストを再開してください。

次に、エラー挿入で特に注意が必要な点をまとめます。

フレームがマスクされているか未実装のために、挿入したエラーが検出 (および訂正) されない場合があります。エラー挿入の前後に Query コマンドを実行しておくと、エラーが正しく挿入されたかどうかを確認できます。

通常、マスクされているのはダイナミック メモリ (DRP、SRL など) に関係するフレームです。

エラーを挿入してコントローラーから訂正不能エラーが報告された場合、いったんリコンフィギュレーションしてからテストを再開してください。