ソフト エラー軽減に関する要件を理解する - 3.1 日本語

UltraScale Architecture Soft Error Mitigation Controller v3.1 LogiCORE IP 製品ガイド (PG187)

Document ID
PG187
Release Date
2019-05-22
Version
3.1 日本語

出荷後の製品においてソフト エラーの影響が懸念される場合、通常はシステム デザイン内のコンポーネントごとに FIT バジェットが必要となります。ザイリンクス FPGA の FIT を計算するには、 SEU ラウンジで提供される SEU FIT レート エスティメーターを使用します。FIT レート エスティメーターの使用方法は、XAPP472 を参照してください。

出荷全数に対する FIT を計算するには、少なくとも次の情報が必要です。

ターゲット デバイス

デバイスの予想出荷数

SEU FIT レート エスティメーターは、デバイスの推定 FIT レートのほか、ある一定期間内に予想されるソフト エラーの数も提示します。

インプリメンテーション後のデザインでは、より正確に FIT を見積もることができます。より正確な見積もりには、使用するブロック RAM の数、ソフト エラーの検出と訂正にブロック RAM の ECC 機能を使用するかどうか、およびデザインに含まれるエッセンシャル ビットの割合を入力する必要があります。エッセンシャル ビットとは、FPGA の機能を定義するために使用するコンフィギュレーション RAM のビットをいいます。ソフト エラーによってエッセンシャル ビットが意図せず変化した場合、FPGA の機能が正しく動作しなくなる可能性があります。

これに対し、エッセンシャル ビット以外のビットが変化しても、機能には影響しません。デザインに含まれるエッセンシャル ビットの割合 (%) は、次の手順で調べることができます。

1. Vivado で次のプロパティを設定します。

set_property bitstream.seu.essentialbits yes [current_design]

2. デザインのビットストリームを再生成します。

3. エッセンシャル ビットの割合は Vivado Tcl コンソールに表示され、ビットストリームおよびエッセンシャル ビット データの生成時に Vivado ログにも記録されます。次に例を示します。

Writing bitstream ./sem_ultrap_v3_1_example.bit...

Creating bitstream...

Writing bitstream ./sem_ultrap_v3_1_example.ebc...

Creating essential bits data...

This design has 707717 essential bits out of 143015456 total (0.49%).

FIT の見積もりが完了したら、出荷全数に対する FIT の要件が満たされているかどうかを確認する必要があります。FIT を軽減するには、その他の設計アプローチの導入が必要になることもあります。

FIT の目標値がないと、SEM IP を使用することにメリットがあるかどうかを含め、ソフト エラーの影響を軽減するためにどのような設計変更 (およびそれに伴うトレードオフ) が必要かが明確になりません。このような場合は、SEM IP を統合する前に、SEM IP を使用して得られるメリットを明らかにしておくことが重要です。