Versal プログラマブル ネットワーク オン チップ (NoC) の概要 - 1.0 日本語

Versal ACAP Programmable Network on Chip and Integrated Memory Controller v1.0 LogiCORE IP 製品ガイド (PG313)

Document ID
PG313
Release Date
2021-04-08
Version
1.0 日本語

ザイリンクス Versal™ プログラマブル ネットワーク オン チップ (NoC) は、プログラマブル ロジック、プロセッシング システム (PS)、およびその他の統合ブロック内の IP エンドポイント間でデータを共有するための AXI インターコネクト ネットワークです。専用スイッチを備えたこの高速統合データパスは、デバイス全体のインフラストラクチャとなるものです。NoC を論理的に構成することで、複数の水平パスおよび垂直パスとカスタマイズ可能なアーキテクチャ コンポーネントを使用して複雑なトポロジを表すことができます。

NoC は高いスケーラビリティを持つよう設計されています。NoC は相互接続される複数の水平パス (HNoC) と垂直パス (VNoC) で構成され、ハードウェア実装されるカスタマイズ可能なコンポーネントでサポートされます。これらのコンポーネントをさまざまに設定することにより、デザインのタイミング、スピード、およびロジック使用率の要件を満たすことができます。

HNoC と VNoC は、大量のプログラマブル ロジックを使用することなくプロセッサ システムとプログラマブル ロジック (PL) 間の統合ブロックを接続する、専用の高帯域幅パスです。

NoC はエンド ツー エンドのサービス品質 (QoS) をサポートしており、効果的にトランザクションを管理し、各トラフィック ストリームの競合するレイテンシおよび帯域幅の要件をバランスよく満たすことができます。

NoC コンポーネントは、NoC マスター ユニット (NMU)、NoC スレーブ ユニット (NSU)、NoC パケット スイッチ (NPS)、および NoC ダイ間ブリッジ (NIDB) で構成されます。NMU はトラフィック イングレス ポイントで、NSU はトラフィック エグレス ポイントです。すべての IP に、これらのマスターおよびスレーブ接続がいくつかあります。2 つの SLR (Super Logic Region) を接続する NIDB により、ダイ間で広い帯域幅を実現しています。NPS はクロスバー スイッチで、これによって完全なネットワークが構成されます。

水平 NoC と垂直 NoC

次の図に示すように、NoC パスは水平 NoC (HNoC) と垂直 NoC (VNoC) に分けられます。HNoC は、ダイの下側と上側の両方に配置されます。HNoC には 4 つの双方向物理 NoC チャネルがあります。すべてのデバイスで下側 HNoC の双方向物理チャネルは 4 つありますが、プライム シリーズおよび AI シリーズのデバイスでは、上側 HNoC の双方向物理チャネルは 2 つしかありません。下側 HNoC は、通常は PS、PMC、CPM、および DDRMC (統合 DDR メモリ コントローラー) などのブロックに接続されます。PS、PMC、CPM は、総称して CIP (Control, Interfaces and Processing System) と呼ばれます。HNoC は、NoC コンポーネント (NMU、NSU、NPS など) で構成されます。同様に、上側 HNoC は、通常は DDRMC などのブロックに接続されます。SSIT デバイスでは、上側 HNoC は、2 つのダイ間に高帯域幅を提供する NoC ダイ間ブリッジ (NIDB) に接続されます。

VNoC は、垂直 NoC の列です。VNoC には 2 つの双方向物理 NoC チャネルがあります。各 Versal デバイスは、2 つ以上の VNoC を実装できます。VNoC は PL に接続されます。HNoC と VNoC が接続されて、ネットワーク オン チップ全体を構成します。
図 1. NoC のブロック図

デザインは Vivado® IP インテグレーターを使用して入力し、ここですべてのエンドポイントの相互接続を指定できます。仮想チャネル (VC) (図では省略) を使用して、さまざまなサービス品質 (QoS) を設定できます。