鉛フリー リフローはんだ付けの推奨プロファイル

Kria SOM キャリア カード 設計ガイド (UG1091)

Document ID
UG1091
Release Date
2023-11-03
Revision
1.5 日本語

AMDでは、SnAgCu BGA コネクタのはんだ付けプロセスにおいて Sn/Pb ペーストを使用したはんだ付けをサポートしていません。従来の Sn/Pb はんだ付けプロセスのピーク リフロー温度は 220°C です。この温度範囲では、SnAgCu BGA はんだボールが適切に溶解されず、はんだ付け表面のぬれ性が十分ではありません。その結果、信頼性やアセンブリのイールドが低下します。

最適なプロフィルとするには、次の要因を考慮する必要があります。

  • 使用するはんだペースト フラックス
  • ボードのサイズ
  • ボード上のコンポーネント密度
  • 大型、小型、軽量コンポーネントの混合比

新しいボード デザインの温度プロファイルは、コンポーネント上の複数箇所で熱電対を使用して作成します。さらに、ボード上に複数のデバイスがある場合は、大型コンポーネントが最低リフロー温度に達したときに、温度の影響を受けやすい小型コンポーネントがしきい値温度を超えて損傷を受けることがないように、ボード上のさまざまな位置でプロファイルをチェックする必要があります。

次の表と図に、PCB アセンブリに対する鉛フリーはんだ付けの推奨リフロー ガイドラインを示します。一般に、鉛フリーはんだ付けには、なだらかで線形な傾斜の RTS (Ramp-To-Spike) リフロー プロファイルが適していることがさまざまな機関で実証されています。このプロファイルは、従来の RSS (Ramp-Soak-Spike) プロファイルに比べぬれ性が良好で、熱衝撃も小さいのが特長です。SnAgCu (SAC) 合金は 235°C で完全な液相に達することが知られています。リフロー プロファイルを作成する際は、最も温度の低いはんだ接合部を特定し、これらが少なくとも 10 秒間にわたり 235°C の最小ピーク温度を維持するようにします。260°C 以上のピーク温度でリフローすることは、熱に対して敏感なコンポーネントに損傷を与え、ボードに反りを起こす可能性があります。コンポーネントの許容可能ピーク温度については、最新の IPC/JEDEC J-STD-020 規格を参照してください。コンポーネントの許容可能ピーク温度は、コンポーネントのサイズによって決まります。次の表に、はんだ付け温度プロファイルの情報を示します。いずれの場合も、ピーク温度リフロー プロファイルは、可能な限り低いものを使用してください。次の図に、リフロー温度プロファイルの例を示します。

表 1. リフローはんだ付けの推奨温度プロファイル
プロファイル 対流型、IR/対流型
予熱時の温度上昇率 30 ~ 150°C 3℃/秒 (最大)
予熱温度ソーク時間 150 ~ 200°C 60 ~ 120 秒
217℃ 以上に維持する時間 60 ~ 120 秒 (標準は 60 ~ 90 秒)
ピーク温度から 5℃ 以内の時間 30 秒 (最大)
ピーク温度 (リード/ボール) 235 ~ 245°C (標準) (はんだペースト、ボード サイズ、コンポーネントの組み合わせに依存)
温度下降率 4℃/秒 (最大)
図 1. リフローはんだ付けの推奨温度プロファイル