IEEE -1735 信頼モデル - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: カスタム IP の作成とパッケージ (UG1118)

Document ID
UG1118
Release Date
2023-11-06
Version
2023.2 日本語

信頼モデルは「あるフローによって付与されるセキュリティが十分であるかどうかを誰が判断するのか」という基本的な問いに答えるものです。過去の信頼モデルではツール提供者がそれを判断するとみなされ、保護されている IP がツール チェーンの管理下に入った後、その IP の何を公開し、何を非公開にするのかは、各ツール ベンダーに委ねられていました。シミュレーション ツールなどの一部の場合では、ツール ベンダー間で共通の理解が得られるように話し合いが持たれ、それが情報の公開レベルと保護レベルに対する事実上のアプローチとなっています。

IEEE -1735 は、IP 作成者の懸念を基に信頼モデルを規定することを目標としています。セキュア IP が異なるベンダー ツールで使用される場合にも、IP 作成者が公開レベル、使用方法、後でアクセスを取り消す方法を指定できるべきであるとしています。ただし、すべてのツール ベンダーがツールに同レベルのセキュリティを組み込むことができるとは限りません。信頼モデルでは、IP 作成者がソース コードの暗号化を義務付けることができ、IP のセキュリティを保護できます。ツールの目標を達成しながら、ツールで最大限可能な妥当な保護を提供するようにすることをデフォルトのツール動作とする必要があります。

場合によっては、デフォルトのツール動作の保護レベルが厳しすぎたり、緩すぎたりすることもあります。IEEE -1735 ベースの暗号化では、IP 作成者がターゲット ツールに望む動作を規定できます。ツール ベンダーが特定の要求を満たせない場合、そのベンダーのツールに対して特別な規格適用除外が認められない限り、ツールは処理を停止する必要があります。