パッケージされたブロック デザイン内の ELF ファイルの使用 - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: カスタム IP の作成とパッケージ (UG1118)

Document ID
UG1118
Release Date
2023-11-06
Version
2023.2 日本語

プロセッサ ベースのブロック デザインには、それに関連付けられた ELF ファイルが含まれているのが一般的です。このセクションでは、ELF を使用したブロック デザインのパッケージ プロセスを説明します。

合成用とシミュレーション用にそれぞれ別の ELF ファイルが関連付けられた、次の図に示すような MicroBlaze™ ベースのブロック デザインがあるとします。

図 1. ELF ファイルが関連付けられたブロック デザインのパッケージ

このタイプのブロック デザインをパッケージすると、Create and Package New IP ウィザードを終了したときに、次の図に示すクリティカル警告メッセージが表示されます。

図 2. 個別の ELF ファイルが関連付けられたブロック デザインをパッケージするときのクリティカル警告メッセージ

この警告メッセージは、シミュレーション用の ELF ファイルを含むブロック デザインのパッケージは現在サポートされていないことを示しています。シミュレーション用 ELF ファイルは、次の図に示すように、合成用の ELF ファイルで上書きされます。

図 3. シミュレーション用 ELF ファイルは合成用 ELF ファイルで上書きされる

ブロック デザインをパッケージした後、それを含むリポジトリをプロジェクトに追加すると、このパッケージされたブロック デザインを別のブロック デザインにインスタンシエートできます。

図 4. 別のブロック デザインにインスタンシエートされたパッケージされたブロック デザイン

合成の用 ELF ファイルはパッケージされたブロック デザインと共にパッケージされているため、合成フローでは問題は発生しませんが、シミュレーション用の ELF ファイルはパッケージされていないため、シミュレーション フローで問題が発生します。この問題を解決するには、プロジェクトにシミュレーション用の ELF ファイルを追加し、SCOPE_TO_REF および SCOPE_TO_CELL プロパティを設定してプロセス インスタンスを指定します。

  1. 次の図に示すように Add Sources をクリックして、シミュレーション ソースにシミュレーション ELF ファイルを追加します。

    Sources ウィンドウにシミュレーション ELF ファイルが表示されます。



  2. 次の図に示すように、Properties ウィンドウで SCOPED_TO_CELLS および SCOPED_TO_REF プロパティを設定します。これで、シミュレーション用に追加した ELF ファイルを使用してシミュレーションを実行できます。