PetaLinux プロジェクトの構造 - 2023.1 日本語

このセクションでは、PetaLinux プロジェクトのファイルおよびディレクトリ構造について簡単に説明します。PetaLinux プロジェクトは、一度に 1 つの Linux システム開発をサポートします。ビルドした Linux システムは次のコンポーネントで構成されます。

• デバイス ツリー
• FSBL (第 1 段階ブートローダー) (オプション)
• U-Boot
• Linux カーネル
• ルート ファイル システムは次のコンポーネントで構成されます。
  • ビルド済みパッケージ
  • Linux ユーザー アプリケーション (オプション)
  • ユーザー モジュール (オプション)

PetaLinux プロジェクト ディレクトリにはプロジェクトのコンフィギュレーション ファイル、Linux サブシステム、およびサブシステムのコンポーネントが含まれます。petalinux-build コマンドを実行すると、これら設定ファイルを使用してプロジェクトがビルドされます。設定は petalinux-config を実行して変更できます。次に、PetaLinux プロジェクトの例を示します。

project-spec
   hw-description
   configs
   meta-user
pre-built
   linux
      implementation
      images 
      xen    
hardware
  <project-name>
components
   plnx_workspace
      device-tree
config.project
README

プロジェクトをビルドすると、次の 3 つのディレクトリも自動的に生成されます。

• <plnx-proj-root>/build: ビルド用に生成されるファイルが格納されます。
• <plnx-proj-root>/images: ブータブル イメージが格納されます。
• <plnx-proj-root>/build/tmp: Yocto で生成されるファイルが格納されます。このディレクトリは、petalinux-config を使用して変更できます。
• <plnx-proj-root>/components/yocto には Yocto eSDK が格納されています。このファイルは、petalinux-config/petalinux-build の実行時に生成されます。
• petalinux-package --prebuilt を実行すると、 <PROJECT>/ に pre-built/ ディレクトリが作成され、<PROJECT>/images/linux ディレクトリから <PROJECT>/pre-built/linux/images/ ディレクトリにビルド イメージ ファイルがコピーされます。

次に例を示します。

├── build
│   ├── bitbake-cookerdaemon.log
│   ├── build.log
│   ├── cache
│   ├── conf
│   ├── downloads
│   ├── misc
│   ├── sstate-cache
│   └── tmp
├── components
│   ├── plnx_workspace
│   └── yocto
├── config.project
├── hardware
│   └── project-name
├── images
│   └── linux
├── pre-built
│   └── linux
├── project-spec
│   ├── attributes
│   ├── configs
│   ├── hw-description
│   └── meta-user
└── README

次の表に、AMD Zynq™ UltraScale+™ MPSoC の場合の例を示します。

デフォルトでは、空き容量を確保するためにビルド中間生成物は petalinux-build 実行後に削除されます。<plnx-proj-root>/project-spec/meta-user/conf/petalinuxbsp.conf に「INHERIT:remove = "rm_work"」を追加するとビルド中間生成物を残すことができますが、プロジェクトの容量が大きくなります。