ハイパーバイザーの使用 - 2023.2 日本語

Versal アダプティブ SoC システム ソフトウェア開発者向けガイド (UG1304)

Document ID
UG1304
Release Date
2023-10-18
Version
2023.2 日本語

AMD は、オープンソースのハイパーバイザー Xen を Versal デバイス用にポーティングして配布しています。Xen ハイパーバイザーを使用すると、1 つのコンピューティング プラットフォーム上で複数のオペレーティング システムを実行できます。Xen ハイパーバイザーはハードウェア上で直接動作し、CPU、メモリ、割り込みを管理します。ハイパーバイザー上では複数のオペレーティング システムを実行できます。この OS のことを、ドメイン、仮想マシン (VM)、またはゲスト OS と呼びます。

Xen ハイパーバイザーを使用すると、複数のオペレーティング システムおよびそれらの標準アプリケーションを比較的容易に同時実行できます。また、ゲスト OS から特定のペリフェラルに直接アクセスすることもできます。ただし、Xen にはそのための汎用的な方法は用意されておらず、ペリフェラルごとのコンフィギュレーションが必要です。

Xen ハイパーバイザーは、1 つのドメイン (ドメイン 0) と 1 つまたは複数のゲスト ドメインを制御します。制御ドメインには、次のような特権機能があります。

  • ハードウェアへの直接アクセス。
  • システムの I/O 機能へのアクセス処理。
  • ほかの仮想マシンとの通信。
  • 動的ノード プログラミングにより、デバイス ツリーのバイナリ オーバーレイを使用して、さまざまな動作中のゲストとの間で FPGA および汎用デバイスのツリー ノードを割り当て/削除する。
  • エミュレートされた TPM により、セキュアなメジャー ブートを可能にする固有の TPM を各ゲストに提供する。

制御ドメインには外部からアクセス可能な制御インターフェイスもあり、このインターフェイスを利用してシステムを制御します。各ゲスト ドメイン上ではそれぞれの OS とアプリケーションを実行します。ゲスト ドメインはハードウェアから完全に隔離されます。

Xen ハイパーバイザーを使用して複数の OS を実行するには、ホスト OS をセットアップして 1 つまたは複数のゲスト OS を追加します。Xen ハイパーバイザーの詳細は、AMD Wiki の Xen Hypervisor ページを参照してください。

Xen ハイパーバイザーは、PetaLinux ツール内で選択可能なコンポーネントとして入手可能ですが、ダウンロード (Xen hypervisor) も可能です。AMD が提供する Linux および Xen ソフトウェアを利用することで、独自の Linux ゲスト コンフィギュレーションを構築できます。Linux 以外のゲスト OS を構築する場合は、サードパーティのソフトウェアと技術が必要です。詳細は、PetaLinux ツール のページを参照してください。

Xen 以外にも、いくつかのハイパーバイザーがAMD エコシステム パートナー各社から提供されています。詳細は、エンベデッド ソフトウェア/エコシステム のページを参照してください。