Dynamic Function eXchange 用のフロアプラン制約 - 2023.2 日本語

Versal アダプティブ SoC ハードウェア、IP、およびプラットフォーム開発設計手法ガイド (UG1387)

Document ID
UG1387
Release Date
2023-11-15
Version
2023.2 日本語

最適なフロアプランは、タイミング クロージャを確実に達成し、DFX デザインの配線の問題を回避するために重要です。DFX フロアプランの I/O バンクに関連する規則は、ボードのピン配置プランニングにも影響する可能性があります。DFX デザインのフロアプランに関する主要な考慮事項は、次のとおりです。

  • Pblock

    DFX パーティションをフロアプランする際は、プラットフォームのコンパイル要件を満たすため、RP Pblock に最大限のリソースを割り当て、スタティック領域のリソースを最小限に抑えます。

    クロック領域を水平方向 (上半分と下半分) に分割し、同じクロック領域を複数の RP 間で共有できます。ただし、一部の Versal デバイスの PL 上部に存在する半クロック領域は例外です。

    プログラマブル ユニット (PU) の粒度は、通常はタイルそのものでですが、I/O では粒度はフル I/O バンクです。この詳細な粒度により、フロアプランの柔軟性が高くなります。PU の詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: Dynamic Function eXchange』 (UG909)このセクションを参照してください。

    スタティック ネットが RP に配置されるのを回避するため、そのスタティック領域に Pblock を作成し、CONTAIN_ROUTING を TRUE に設定することをお勧めします。ただし、この方法では、スタティック ロジックの配線に関して、追加の考慮事項があります。詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: Dynamic Function eXchange』 (UG909) を参照してください。

  • I/O

    Versal デバイスでは、1 つの I/O バンクに 1 つのスタティック I/O を宣言すると、その I/O バンクのすべての I/O サイトがスタティック領域に強制的に接続されますが、クロッキング リソースはリコンフィギュレーション可能です。以前のデバイスでは、I/O リソースとクロッキング リソースが同じ PU にまとめられていたため、すべての I/O リソースとクロッキング リソースがすべてスタティックまたはすべてリコンフィギュレーションされ、異なるドメインに配置することはできませんでした。

  • クロッキング

    RP がリモート クロッキング タイルを使用しており、その他の RP と通信する必要がある場合、クロック トラックの使用は RP 間の分割に基づいて制限されます。デバイスの下部にある水平クロック領域の MMCM の代わりに、RP のローカルとなる GT クロック領域の DPLL を使用する必要があります。

    クロック領域の詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: Dynamic Function eXchange』 (UG909)このセクションを参照してください。

  • パーティション ピン

    DFX デザインでは、リコンフィギャラブル モジュール (RM) とスタティック領域間の信号は境界信号と呼ばれます。RM のすべてのピンには、配置により境界信号に設定されたパーティション ピン ロケーション (PPLOC) が必要です。唯一の例外は、ハード プリミティブ間の専用パスです。パーティション ピンは、PL 上の物理インターフェイスで、境界信号のスタティック部分とリコンフィギャラブル部分を分離します。PPLOC の詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: Dynamic Function eXchange』 (UG909)このセクションを参照してください。

    パーティション ピンが存在することにより、対応する境界ネットが強制的にパーティション ピンを経由して配線されるため、ソリューション スペースが減少します。この問題を緩和するため、DFX フローには拡張配線が含まれます。拡張配線は、RP の追加の配線フットプリントで、スタティック領域からの配線タイルが含まれることがあります。拡張配線の詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: Dynamic Function eXchange』 (UG909)このセクションを参照してください。

    また、将来のリコンフィギャラブル モジュールのバリアントをインプリメントする際に配線の問題を回避するために、パーティション ピンのローカル密集を低減することもできます。パーティションピンの配置を制御するには、HD.PARTPIN_RANGE や HD.PARTPIN_LOCS などの複数のプロパティがあります。

Pblock のガイドライン、I/O プランニング、クロッキング、および PPLOC の削減の詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: Dynamic Function eXchange』 (UG909) を参照してください。