プラットフォーム ベース デザイン フローでのハードウェア プラットフォームの作成 - 2023.2 日本語

Versal アダプティブ SoC ハードウェア、IP、およびプラットフォーム開発設計手法ガイド (UG1387)

Document ID
UG1387
Release Date
2023-11-15
Version
2023.2 日本語

エクステンシブル プラットフォームは、Vitis 環境におけるプラットフォーム ベースのデザイン フローの基盤となります。アプリケーション開発者は、このプラットフォームを利用することにより、低レベルの複雑なインフラストラクチャを気にすることなく、ソフトウェア、AI エンジン グラフ、PL カーネル ロジックなど、プロセッシング システムの特定機能の開発に集中できます。Vitis 環境を使用すると、エクステンシブル プラットフォームに AI エンジン カーネルと PL カーネルを追加できます。Vitis 環境を使用して追加したカーネルは、プラットフォームに含まれるメモリ、割り込みコントローラー、リセット、およびクロック リソースにアクセスできます。

Vitis エクステンシブル プラットフォームは、ハードウェア コンポーネントとソフトウェア コンポーネントで構成されています。プラットフォームのハードウェア コンポーネントは、Vivado IP インテグレーターを使用して設計します。プラットフォームのソフトウェア コンポーネントは、Vitis または PetaLinux ツールチェーンを使用して作成します。

このセクションでは、IP インテグレーターを使用してプラットフォームのハードウェア コンポーネントを作成および設定するフローを説明します。ソフトウェア プラットフォームの作成およびプラットフォーム全体のパッケージの詳細は、 『Vitis 統合ソフトウェア プラットフォーム資料: アプリケーション アクセラレーション開発』 (UG1393)このセクションを参照してください。

IP インテグレーターを使用して作成したデザインには、CIPS、NoC、I/O コントローラー、AI エンジン アレイなどの基本的な Versal アダプティブ SoC ハードウェア IP ブロックが含まれている必要があります。また、カーネルを後で Vitis v++ リンカーを使用して接続可能な論理インターフェイスも含める必要があります。プロセッサ、メモリ、およびすべての外部ボード インターフェイスは、AMD IP、カスタム IP、および RTL を組み合わせてコンフィギュレーションされます。

次の図に、ハードウェア プラットフォームのブロック図の例を示します。

図 1. ハードウェア プラットフォームのブロック図の例

IP インテグレーターでハードウェア プラットフォームを構築するには、次の手順に従います。

図 2. ハードウェア プラットフォームの作成
  1. プラットフォームのハードウェア部分を作成するために必要な IP をインスタンシエートします。

    これには、ターゲット プラットフォームのニーズを満たすため、CIPS、NoC、プロセッサ システム リセット モジュール、および Clocking Wizard IP を適切に設定することが含まれます。これらのブロックの入力ピンおよび出力ピンは、ハードウェア関数で使用されます。ハードウェア関数は、後の段階で Vitis ツールによりビルドされます。

  2. IP インテグレーターでブロック デザインを構築したら、それをハードウェア プラットフォームとして Vitis 環境にエクスポートする前に、IP ブロックにプラットフォーム (PFM) インターフェイスとプロパティを宣言して追加する必要があります。

    これらのプラットフォーム設定には、Vitis 環境でハードウェア関数に必要なクロッキング、割り込み、リセット、メモリ、およびプロセッサ AXI インターフェイスが含まれます。IP インテグレーターの GUI には、これらのインターフェイスとそのプロパティを宣言する [Platform Setup] ウィンドウがあります。

    PFM 手順には、次の要件があります。

    • プラットフォームでは、少なくとも 1 つの AXI ポート マスター インターフェイスをイネーブルにする必要があります。
    • プラットフォームには、1 つまたは複数のクロックを含めることができます。プラットフォームでは、少なくとも 1 つのクロック インターフェイスをイネーブルにする必要があります。ハードウェア関数が特定のクロックを使用する場合、そのクロックの同期リセットを使用します。
    • 割り込みは通常、プラットフォームで Concat ブロックを使用して接続されます。
  3. デザインの生成後にハードウェア定義 (XSA) を Vitis 環境にエクスポートします。

    これにより、デザインに使用される IP を解釈するために Vitis ツールで必要な XML ファイルと、プロセッサの視点からのメモリ マップがエクスポートされます。

ハードウェア プラットフォームを作成したら、エクスポートした XSA をソフトウェア コンポーネントと共にパッケージし、v++ コンパイラ/リンカーで使用するための Vitis プラットフォーム全体を作成する必要があります。

IP インテグレーターの詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: IP インテグレーターを使用した IP サブシステムの設計』 (UG994) を参照してください。