複雑性レポートには、Rent 指数、平均ファンアウト、最上位デザインまたは階層セルでの最下位セル タイプの分布が示されます。Rent 指数は、最小カット アルゴリズムを使用してデザインを再帰的に分割した場合のネットリスト パーティションのポート数とセル数の関係を示します。グローバル配置中に配置プログラムにより使用されるアルゴリズムと同様のアルゴリズムにより算出されます。そのため、デザインの階層がグローバル配置中に検出される物理パーティションとよく一致している場合に特に、配置の課題を示す指標として使用できます。
Rent 指数が大きいデザインは、密に接続されたロジックのグループがほかのグループとも密に接続されていることを示します。これは、グローバル配線リソースの使用率が高く、配線の複雑性が高いことを意味します。このレポートに示される Rent 指数は、未配置および未配線のネットリストに対して算出されます。配置後の Rent 指数は論理パーティションではなく物理パーティションに基づくので、同じデザインでも配置後の Rent 指数は異なる場合があります。
次のオプションを使用すると、デザイン解析レポートは複雑性モードで生成されます。
- Report Design Analysis ダイアログ ボックスの Options タブで、Complexity オプションを確認します。
-
report_design_analysis
Tcl コマンドを-complexity
オプションを使用して実行する。
次の図に、複雑性レポートの例を示します。
次の表に、Rent 指数の典型的な範囲を示します。
範囲 | 名称 |
---|---|
0.0 ~ 0.65 | 低から標準。 |
0.65 ~ 0.85 | 高 (特に合計インスタンス数が 15,000 個を超える場合)。 |
0.85 以上 | 非常に高い。インスタンス数も多い場合はインプリメンテーションでエラーが発生する可能性があります。 |
次の表に、平均ファンアウトの典型的な範囲を示します。
範囲 | 名称 |
---|---|
4 未満 | 標準。 |
4 ~ 5 |
高。密集を発生させずにデザインを配置することが困難である可能性があります。 |
5 以上 | 非常に高い。インプリメンテーションでエラーが発生する可能性があります。 |
大型で重要度の高いモジュールで Rent 指数または平均ファンアウトが大きい場合は、対処が必要です。小型のモジュール、特にインスタンスの総数が 15,000 未満のモジュールでは、Rent 指数および平均ファンアウトが大きくても問題なく配置配線できることがあります。そのため、Rent 指数および平均ファンアウトと共に [Total Instances] 列も確認する必要があります。
-hierarchical_depth
オプションを使用して下位モジュールを解析に含めてください。デザイン解析レポートの複雑性レポートの生成および解析の詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: デザイン解析およびクロージャ テクニック』 (UG906) のこのセクションを参照してください。