注記: この最適化手法は、
report_qor_suggestions Tcl コマンドにより自動的に適用されます。タイミング制約が厳しいファンアウトの大きいネットは、タイミングを満たすため、厳密にクラスター化された配置が必要です。これにより、次の図に示すように局所的な密集が発生する可能性があります。ファンアウトの大きいネットは、配線リソースを消費し、それらの配線リソースを密集ウィンドウのほかのネットで使用できなくすることによっても密集に影響します。
ファンアウトの大きいグローバルでないネットの密集ウィンドウにおける配線性への影響を解析するには、次を実行できます。
- 密集ウィンドウで最上位モジュールの最下位セルを選択します。
- をクリックし、選択したセル オブジェクトのすべてのネットを選択します ([GLOBAL_CLOCK]、[Power]、[GROUND] ネットを検索)。
- ネットを [Flat Pin Count] の降順に並べ替えます。
- ファンアウトの大きいものを上位から選択し、密集ウィンドウとの関係を表示します。
これにより、密集に影響しているファンアウトの大きいネットをすばやく特定できます。
図 1. 密集ウィンドウ内のファンアウトの大きいネット
密集ウィンドウ内にあるタイミング制約の厳しいファンアウトの大きいネットに対しては、ドライバーを複製すると、配置制約が緩和されて密集が削減します。
タイミング スラックが正のファンアウトの大きいネット (ファンアウト > 5000) は、ファブリック リソースの代わりにグローバル クロック リソースに配線できます。配置の最後の方でグローバル配線リソースが使用可能である場合、ファンアウトが 1000 を超えるネットが配置段階で自動的に配線されます。この最適化は、タイミングが悪化しない場合にのみ実行されます。
また、ネットに CLOCK_BUFFER_TYPE=BUFG_FABRIC プロパティを設定して、配置の前に合成またはロジック最適化でバッファーが自動的に挿入されるようにすることもできます。place_design の後に挿入されたバッファーの配置とそのドライバーおよびロードの配置を調べ、最適なものであるかを確認します。配置が最適でない場合は、クロック バッファーに CLOCK_REGION 制約を設定して配置を制御します。