消費電力とタイミング スラック - 2023.2 日本語

Versal アダプティブ SoC システム統合および検証設計手法ガイド (UG1388)

Document ID
UG1388
Release Date
2023-11-15
Version
2023.2 日本語

デザインのタイミング クロージャを達成する際、消費電力の面からのデザイン クロージャも同時に実行する方が効率的で効果的です。これにより、両方の条件を満たす最適な run を選択できます。タイミングと消費電力両方のクロージャを達成するには、実行するスクリプトに report_power を追加します。詳細とサンプル スクリプトは、アンサー 76056 を参照してください。

次の図に、この方法の例を示します。64 個のタイミング クロージャ run すべてに対して消費電力レポートも生成されており、すべての run が一緒にプロットされています。このグラフから、36 個の run でタイミングが満たされており、全消費電力バジェットは 77W です。64 個の run は 75W ~ 83W (8W または約 10%) の範囲です。

タイミングの面からは 6 番目の run の結果が最高ですが、消費電力見積りは 79.5W であり、全消費電力バジェットを超えています。タイミングが満たされている run の中では、13 番目の run の消費電力が最小です。デザインをタイミングと消費電力の両方の面から理解することで、タイミング結果に影響を与えることなく、両方に最適な run を選択できます。この例では、4W の消費電力の削減を達成できます。

電源/消費電力ヒント: DONT_TOUCH 制約を削除して、クロッキング プリミティブを含む事前のロジックの自動削除を可能にすることで、デザインの消費電力を改善することも可能です。
図 1. 異なる配置配線 run の消費電力とタイミング スラック