AI エンジン コンポーネントのプログラミング、シミュレーション、コンパイルの技術については、
『AI エンジン ツールおよびフロー ユーザー ガイド』 (UG1076) を参照してください。Versal
AI エンジン グラフ アプリケーションは C++ で記述され、v++ -c --mode aie
コマンドを使用してコンパイルされます。このコマンドは、v++ モードの AI エンジン で説明するように、コンフィギュレーション ファイルのコマンド言語を使用します。
コンパイルされたグラフ アプリケーションは、PL カーネル オブジェクト ファイル (.xo) と、システムのリンク で説明されるように、ターゲット プラットフォームとリンクできます。
x86simulator のコンパイル
x86simulator を使用したシミュレーション用に AI エンジン コンポーネントをビルドする場合のコマンド ラインは、次のようになります。
v++ -c --mode aie --target x86sim --platform xilinx_vck190_base_202310_1 \
--config ./aiecompiler.cfg --work_dir ./aie_sys_design_aie/Work ./src/graph.cpp
このコマンドでは、次の引数が使用されています。
-
-c
:v++
コマンドのコンパイルモードを指定します。これは、-c
または--compile
を使用して指定できます。 -
--mode aie
: Vitis コンパイラの AI エンジン コンパイラ フォームを起動します。 -
-target=x86sim
: ビルド ターゲットをシミュレーション用 (x86
) または物理デバイス上での実行用 (hw
) のいずれかに指定します。デフォルトはhw
です。 -
--platform=xilinx_vck190_base_202320_1
: グラフ アプリケーションをコンパイルする際に使用するプラットフォームを指定します。ヒント: AI エンジン コンポーネントは、Versal AI エンジン デバイスを使用するプラットフォームを必要とします。 -
--config <config_filename>
: AI エンジン コンパイラで使用するコンフィギュレーション ファイルを指定します。次に、コンフィギュレーション ファイルの例を示します。 -
--work_dir
:v++
コンパイラで作成された出力ファイルの位置を指定します。 -
<source_file>
: カーネルおよびグラフのソース ファイルを指定します。複数のソース ファイルを指定できます。
コンフィギュレーション ファイルの内容はさまざまですが、この例では aiecompiler.cfg ファイルで次のコマンドを使用します。
include=./aie_sys_design_aie
include=./aie_sys_design_common/src
include=./aie_sys_design_aie/src
[aie]
Xchess=main:darts.xargs=-nb
log-level=1
stacksize=1024
heapsize=1024
コンパイルが終了したら、次のコマンドを使用して x86simulator
で AI エンジン コンポーネントを実行できます。
x86simulator --pkg-dir=./Work --i=../../
--pkg-dir
はコンパイルの作業ディレクトリを指定し、--i
はシミュレータの入力ディレクトリ パスを指定します。
AI エンジン シミュレータ/ハードウェアのコンパイル
aiesimulator
を使用したシミュレーション用に AI エンジン コンポーネントをビルドする場合のコマンド ラインは、次のようになります。
v++ -c --mode aie --target hw --platform xilinx_vck190_base_202310_1
--config ./aiecompiler.cfg --work_dir ./aie_sys_design_aie/Work ./src/graph.cpp
x86simulator
と aiesimulator
ビルドでは、ターゲットだけが変更されています。この後、次のコマンドを使用して aiesimulator
で AI エンジン コンポーネントを実行できます。
aiesimulator --pkg-dir=./Work --i=../..
デフォルトの出力は、libadf.a という AI エンジン グラフ アプリケーションのアーカイブです。詳細は、
『AI エンジン ツールおよびフロー ユーザー ガイド』 (UG1076) の「AI エンジン グラフ アプリケーションのコンパイル」を参照してください。このアーカイブ ファイルを v++ --link
コマンドで使用すると、次のセクションで説明する統合システム デザインの固定プラットフォームを構築できます。
AI エンジン コンパイラで生成されるさまざまな出力ファイルの生成場所は、v++ コマンドの出力ディレクトリ を参照してください。