AI エンジン グラフ アプリケーションのコンパイル - 2023.2 日本語

Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームの資料: アプリケーション アクセラレーション開発 (UG1393)

Document ID
UG1393
Release Date
2023-12-13
Version
2023.2 日本語
重要: ツールを実行する前に、Vitis 環境の設定 で説明されるように、コマンド シェルまたはウィンドウを設定します。

AI エンジン コンポーネントのプログラミング、シミュレーション、コンパイルの技術については、 『AI エンジン ツールおよびフロー ユーザー ガイド』 (UG1076) を参照してください。Versal AI エンジン グラフ アプリケーションは C++ で記述され、v++ -c --mode aie コマンドを使用してコンパイルされます。このコマンドは、v++ モードの AI エンジン で説明するように、コンフィギュレーション ファイルのコマンド言語を使用します。

コンパイルされたグラフ アプリケーションは、PL カーネル オブジェクト ファイル (.xo) と、システムのリンク で説明されるように、ターゲット プラットフォームとリンクできます。

x86simulator のコンパイル

x86simulator を使用したシミュレーション用に AI エンジン コンポーネントをビルドする場合のコマンド ラインは、次のようになります。

v++ -c --mode aie --target x86sim --platform xilinx_vck190_base_202310_1 \
--config ./aiecompiler.cfg --work_dir ./aie_sys_design_aie/Work ./src/graph.cpp

このコマンドでは、次の引数が使用されています。

  • -c: v++ コマンドのコンパイルモードを指定します。これは、-c または --compile を使用して指定できます。
  • --mode aie: Vitis コンパイラの AI エンジン コンパイラ フォームを起動します。
  • -target=x86sim: ビルド ターゲットをシミュレーション用 (x86) または物理デバイス上での実行用 (hw) のいずれかに指定します。デフォルトは hw です。
  • --platform=xilinx_vck190_base_202320_1: グラフ アプリケーションをコンパイルする際に使用するプラットフォームを指定します。
    ヒント: AI エンジン コンポーネントは、Versal AI エンジン デバイスを使用するプラットフォームを必要とします。
  • --config <config_filename>: AI エンジン コンパイラで使用するコンフィギュレーション ファイルを指定します。次に、コンフィギュレーション ファイルの例を示します。
  • --work_dir: v++ コンパイラで作成された出力ファイルの位置を指定します。
  • <source_file>: カーネルおよびグラフのソース ファイルを指定します。複数のソース ファイルを指定できます。

コンフィギュレーション ファイルの内容はさまざまですが、この例では aiecompiler.cfg ファイルで次のコマンドを使用します。

include=./aie_sys_design_aie
include=./aie_sys_design_common/src
include=./aie_sys_design_aie/src

[aie]
Xchess=main:darts.xargs=-nb
log-level=1
stacksize=1024
heapsize=1024

コンパイルが終了したら、次のコマンドを使用して x86simulatorAI エンジン コンポーネントを実行できます。

x86simulator --pkg-dir=./Work --i=../../ 

--pkg-dir はコンパイルの作業ディレクトリを指定し、--i はシミュレータの入力ディレクトリ パスを指定します。

AI エンジン シミュレータ/ハードウェアのコンパイル

aiesimulator を使用したシミュレーション用に AI エンジン コンポーネントをビルドする場合のコマンド ラインは、次のようになります。

v++ -c --mode aie --target hw --platform xilinx_vck190_base_202310_1  
--config ./aiecompiler.cfg --work_dir ./aie_sys_design_aie/Work ./src/graph.cpp
ヒント: x86simulatoraiesimulator ビルドでは、ターゲットだけが変更されています。

この後、次のコマンドを使用して aiesimulatorAI エンジン コンポーネントを実行できます。

aiesimulator --pkg-dir=./Work --i=../..

デフォルトの出力は、libadf.a という AI エンジン グラフ アプリケーションのアーカイブです。詳細は、 『AI エンジン ツールおよびフロー ユーザー ガイド』 (UG1076) の「AI エンジン グラフ アプリケーションのコンパイル」を参照してください。このアーカイブ ファイルを v++ --link コマンドで使用すると、次のセクションで説明する統合システム デザインの固定プラットフォームを構築できます。

AI エンジン コンパイラで生成されるさまざまな出力ファイルの生成場所は、v++ コマンドの出力ディレクトリ を参照してください。