AMD Vitis™ 統合ソフトウェア プラットフォームは、AMD Alveo™ データセンター アクセラレータ カード、AMD Versal™ アダプティブ SoC デバイス、AMD Kria™ SOM、AMD Zynq™ MPSoC などの AMD デバイスをサポートするヘテロジニアス アプリケーション用の開発環境です。Vitis 環境では、ヘテロジニアス システムには、x86 ホスト プロセッサや Arm® エンベデッド プロセッサで動作するソフトウェア アプリケーション、プログラマブル ロジック (PL) 領域や Versal AI エンジン アレイで動作する計算カーネルなど、ヘテロジニアス システムを構築および実行するための基盤となる拡張可能なプラットフォーム デザインが含まれています。Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームは、次が含まれます。
- ソフトウェア アプリケーションを構築するためのコンパイラやクロスコンパイラなどのソフトウェア開発ツール スタック。
- システム デザインの問題点を発見し、修正するのに役立つデバッガー。
- アプリケーションのパフォーマンスをプロファイルし、解析できるプログラム アナライザー。
- ザイリンクス ランタイム (XRT) は、ソフトウェア プログラムがターゲット プラットフォームに接続するための API およびドライバーを提供し、ソフトウェア アプリケーションとハードウェア デザイン間のトランザクションおよびデータ転送を処理します。
- Vitis アクセラレーション ライブラリは、コードに最小限の変更を加えてパフォーマンスを最適化したハードウェア関数を提供しており、アルゴリズムをインプリメントし直さなくても、AMD の適応型コンピューティングの利点を活用できます。Vitis アクセラレーション ライブラリには、算術演算、統計、線形代数、DSP などの一般的な関数用のものだけでなく、ビジョンおよび画像処理、数理ファイナンス、データベースおよびデータ分析、データ圧縮などのドメイン特化アプリケーション用のものがあります。Vitis アクセラレーション ライブラリの詳細は、https://xilinx.github.io/Vitis_Libraries/ を参照してください。
Vitis 統合ソフトウェア プラットフォームは、AMD のハードウェアとソフトウェア開発のあらゆる側面を、ソフトウェアとハードウェアの両方のコンポーネントに標準的な C/C++ を使用した 1 つの統合環境にまとめます。Vitis ツールは、データセンター アプリケーション アクセラレーション、RTL カーネル デザイン、エンベデッド システム デザイン、従来のエンベデッド ハードウェアおよびソフトウェア デザインを含む多くの異なるデザイン フローで、ヘテロジニアス システムのコンパイル、リンク、プロファイリング、デバッグ機能を提供します。各フローについては、次の章で詳しく説明します。