Zynq UltraScale+ MPSoC の概要: マルチメディア向けの理想的なシステム

マルチメディア ユーザー ガイド (UG1449)

Document ID
UG1449
Release Date
2022-04-21
Revision
1.4 日本語

Zynq® UltraScale+™ MPSoC は、64 ビットおよび 32 ビットのプロセッシング サブシステム、リアルタイム グラフィックスとビデオ処理用の専用ハードウェア エンジン、先進の高速ペリフェラル、そしてプログラマブル ロジックを備えたヘテロジニアスなマルチプロセッシング SoC です。これは単一のプラットフォームで、業界標準ツールを使用して、コスト重視アプリケーションから高性能アプリケーションまで幅広く対応します。Zynq UltraScale+ MPSoC はソフトウェアとハードウェア両方のレベルで十分な柔軟性を備えているだけでなく、エンベデッド市場においてこれまでで最も多様な専用エンジンを統合しています。

高性能と低レイテンシを実現するために、先進的なマルチメディア システムには適切なプロセッシング エンジンと、カスタム ロジックの追加機能が必要です。また、現在利用できる幅広いマルチメディア デバイスに必要な Any-to-Any コネクティビティをサポートする必要もあります。従来であれば、これらの要件を満たすためにマルチチップ ソリューションが提案されますが、このソリューションは必要なマルチメディア機能とコネクティビティ機能を提供できる一方で消費電力が高くなる可能性もあります。

このようなシナリオでは、Zynq UltraScale+ MPSoC のようなシングル チップ ソリューションが理想的です。1 つのデバイス上にハードウェア アクセラレーションまたは Any-to-Any コネクティビティ用のカスタム ロジックがあれば、消費電力を大きく削減できます。プロセッシング エンジン、ハードウェア コーデック、およびカスタム ロジックのサポートに加え、Zynq UltraScale+ MPSoC ではこれらのコンポーネントが独立した電源レールを持つ別々の電力ドメインに属します。この構成を使用して、システム全体で最適化された電力管理スキームを設計できます。16nm FinFET プロセス ノードで製造された Zynq UltraScale+ MPSoC は性能の向上と消費電力の削減を実現し、電力効率が高い次世代マルチメディア システムの設計を可能にします。

Zynq UltraScale+ MPSoC は、強力なプロセッシング システム (PS) とプログラマブル ロジック (PL) を 1 つのデバイスに統合しています。PS には、 Arm® 社のフラッグシップ製品である Cortex®-A53 64 ビット クワッド コアまたはデュアル コア プロセッサ (APU)、 Cortex®-R5F デュアル コア リアルタイム プロセッサ (RPU)、およびグラフィックス プロセッサ ユニット (GPU) が含まれます。

Zynq UltraScale+ MPSoC には、デュアル アプリケーション プロセッサ搭載 (CG) デバイス、クワッド アプリケーション プロセッサおよび GPU 搭載 (EG) デバイス、およびビデオ コーデック搭載 (EV) デバイスなどの種類があり、幅広いアプリケーションに対して無限の可能性を提供します。Zynq UltraScale+ MPSoC EV デバイスは、強力な EG プラットフォームをベースに、最大 4Kx2K (60fps) の同時エンコードおよびデコードをサポートした H.264/H.265 ビデオ コーデックを追加しています。HD ビデオを考慮して設計された EV デバイスは、マルチメディア、先進運転支援システム (ADAS)、監視カメラ、およびその他のエンベデッド ビジョン アプリケーションに理想的です。