パラメーター一覧

マルチメディア ユーザー ガイド (UG1449)

Document ID
UG1449
Release Date
2022-04-21
Revision
1.4 日本語

次の表に、VCU のパラメーターとその説明を示します。

表 1. パラメーター一覧
VCU のパラメーター 説明
ターゲット ビットレート

ターゲット ビットレート (kb/s)

デフォルト値: 64

GOP 長さ 連続する 2 つの I フレームの間隔。0 ~ 1000 の整数値を指定します。0 または 1 を指定した場合は I フレームのみのエンコード。デフォルト値: 30
B フレームの数

連続する 2 つの P フレーム間の B フレームの数。gop-mode が basic または pyramidal の場合のみ使用します。

範囲:

  • 0 ~ 4 (gop-mode = basic の場合)
  • 3、5、または 7 (gop-mode = pyramidal の場合)

B フレームを設定した場合にフレームの並べ替えは実行されないため、低レイテンシおよび軽減レイテンシ モードでは B フレームの数を 0 に設定する必要があります。

デフォルト値: 0

キー フレーム (IDR) 挿入

連続する IDR (Instantaneous Decoder Refresh) ピクチャ間のフレーム数を指定します。

IDR 要求を受け取ると、エンコーダーはキーフレームを挿入して GOP を再開します。

関心領域エンコード 関心領域 (ROI) エンコードは、ビデオ フレーム内のタグを付けた領域に対し、背景のピクチャ (タグなしの領域) と比べた相対的な品質 (高、中、低、ドントケア) をユーザーが指定してエンコードするものです。

ユーザーが関心領域 (ROI) の開始位置 (左上)、幅、高さ (いずれもピクセル単位)、および品質インデックスを指定します。1 つのフレーム内で複数の ROI、および ROI の重複がサポートされます。GStreamer のサンプル アプリケーションでは 1 つの ROI 領域しか追加しませんが、ユーザーが複数の ROI メタデータ プロパティをバッファーに追加できます。

LTR (Long Term Reference) ピクチャ

有効にすると、エンコーダーはアップストリーム エレメントからの LTR (Long-Term Reference) ピクチャ イベントを動的に挿入して使用します。

ブール型: TRUE または FALSE

デフォルト値: FALSE

適応 GOP

1 つの GOP 内で使用可能な B フレームの最大数を指定します。GOP モードを有効にするには、制御ソフトウェアのエンコーダー設定ファイルで GopCtrlMode=ADAPTIVE_GOP と設定し、GStreamer で gop-mode=adaptive と設定します。

ビデオ コンテンツに対する経験則に基づき、エンコーダーが GOP パターンで使用する B フレームの数を調整します。

ユーザーが指定した B フレームの最大数を超えないように調整されます。

SEI の挿入と抽出 ストリームに SEI NAL を追加します。SEI ペイロードは、ITU-T Annex D.3 に準拠してユーザーが作成する必要があります。ペイロードのアンチ エミュレーションなど、それ以外の処理はエンコーダーが実行します。
デュアル パス エンコード ビデオを 2 回エンコードします。1 回目はシーケンスに関する情報を収集します。この統計情報を使用して 2 回目のエンコードを改善します。
シーン変化検出 GDR イントラ リフレッシュ

ザイリンクス Video Scene Change Detection IP は、シーン変化検出アルゴリズムを実装するビデオ処理ブロックを提供します。この IP コアは、連続したフレームに対して垂直方向にサブサンプリングされた HMA フレームのヒストグラムを計算します。これらフレームのヒストグラムを、差の絶対値和 (SAD) を使用して比較します。この IP コアには包括的なレジスタ インターフェイスがあり、フレーム サイズ、ビデオ フォーマット、およびサブサンプリング値をプログラムできます。

GDR (Gradual Decoder Refresh): GOPCtrlMode を LOW_DELAY_P に設定した場合、GDR スキームを使用するか GDRMode パラメーターで指定します。GDR (水平/垂直) を有効にすると、エンコーダーはピクチャにフレーム内符号化した MB 行/列を挿入してデコーダーをリフレッシュします。Gop.FreqIDR パラメーターは、リフレッシュ パターンの発生頻度を指定します。ピクチャ全体をリフレッシュするには、Gop.FreqIDR パラメーターを CTB/MB 行 (GDR_HORIZONTAL) または列 (GDR_VERTICAL) の数より大きい値にします。

動的解像度変更 – VCU エンコーダー/デコーダー

VCU エンコーダーおよびデコーダーの両方で動的解像度変更がサポートされます。

  • VCU エンコーダー: 入力ソースに複数の解像度を含めることができます。
  • VCU デコーダー: 圧縮された入力ストリームに複数の解像度を含めることができます。VCU デコーダーは、チャネルを再作成しなくてもピクチャをデコードできます。

すべてのストリームが同じコーデック、クロマ フォーマット、およびビット深度を使用している必要があります。

VCU エンコーダーのフレームスキップ サポート

エンコード後のピクチャが CPB バッファー サイズより大きい場合、ピクチャを破棄してすべての MB/CTB を «スキップ» としてエンコードしたピクチャで置き換えます。

この機能は、特に低ビットレート時において、ビデオの複雑さにかかわらずターゲット ビットレートを厳守する必要がある場合に役立ちます。

このパラメーターは、control-rate=constant/variable かつ b-frames < 2 の場合のみ使用してください。

デフォルト: FALSE

32 ストリームのサポート VCU は最大解像度 4K UHD 60Hz までの同時エンコードおよびデコードをサポートします。これを最大 480p 30Hz のストリームに 32 分割できます。全体のスループットが 4K UHD 60Hz を超えない範囲であれば、1 ~ 32 ストリームの範囲で異なる解像度の組み合わせがいくつかサポートされます。
DCI-4k エンコード/デコード VCU コア クロック周波数を 712MHz に設定し、その他の AXI および MCU 周波数をハードウェア セクションの推奨値に設定している場合、VCU は 4096x2160p60、422 のエンコードまたはデコードが可能です。
外部 QP テーブル

各フレームに QP テーブルを関連付け、そのフレームの各エンコード ブロックで使用する QP を指定できます。QP 値は相対値または絶対値を指定できます。QP テーブル バッファーには、ラスター スキャン フォーマットで MB/CTB ごとに 1 バイトを格納する必要があります。

  • AVC では、16x16 MB につき 1 バイト
  • HEVC では、32x32 CTB につき 1 バイト
VCU エンコーダーの時間軸 ID のサポート AVC/HEVC 規格に従い、VCU エンコーダーは階層レイヤーに基づいて各フレームに時間軸レイヤー ID を割り当てます。これにより、エンコード セッションにおいて時間軸 ID に基づく QP およびラムダ テーブル制御が可能になります。これはピラミッド型 GOP の場合のみです。
低レイテンシ サポート ビデオ ストリーミングのレート制御は、低レイテンシ レート制御 (ハードウェア RC) が推奨されます。これは、すべてのピクチャに対して同じフレーム サイズを維持しようとします。
動的ビットレート 動的ビットレートは、エンコーダーの動作中にエンコード ビットレート (ターゲット ビットレート) を変更する機能です。
入力および出力バッファー間の 1:1 の関係を使用したデコーダー メタデータ転送 受信した各バッファーをデコーダー内部のリング バッファーにコピーした後、デコーダー自身がフレーム境界を (再) 検出します。これにより、入力バッファーとデコード後の出力フレームとの間で完全な 1 対 1 の関係を維持できなくなります。アプリケーションはデコード順に基づいて 1 対 1 の関係の取得を試みることもできますが、エラー隠蔽があると信頼できる結果が得られません。この新しい機能は、受信したバッファーがフレーム (またはスライス) 境界に揃っているユース ケースにおいて、リング バッファー段をバイパスするというものです。この場合、デコーダーは入力バッファー (ただし DMA 入力バッファーであること) を直接使用でき、関連するメタデータは出力コールバックで取得できます。
DEFAULT_GOP_B および PYRAMIDAL_GOP_B GOP 制御モード

これらのパターンは、それぞれ DEFAULT_GOP と PYRAMIDAL_GOP の P フレームを B ピクチャで置き換えただけのものです。

2019.2 以降では、omxh264enc/omxh265enc エレメントの gop-mode パラメーターはこれら 2 つの新しい設定をサポートしています。「basic-b」は DEFAULT_GOP_B に対応し、「pyramidal-b」は PYRAMIDAL_GOP_B に対応します。

適応デブロッキング フィルターのパラメーター更新

ループ フィルターのベータおよび Tc オフセットは、フレーム レベルで設定できます。

制約: 新しいオフセット値は、選択したフレームとそれ以降のフレーム (デコード順) に適用されます。

omxh264enc/omxh265enc エレメントは、次の 2 つのミュータブル パラメーターをサポートします。これらの値は、動作中に変更できます。

  • loop-filter-beta-offset: デブロッキング フィルター用のベータ オフセット。loop-filter-mode が有効な場合のみ使用します。
  • loop-filter-alpha-c0-offset/loop-filter-tc-offset: デブロッキング フィルター用の Alpha_C0/TC オフセット。loop-filter-mode が有効な場合のみ使用します。
最大ピクチャ サイズ

エンコードされるビデオ フレームの最大値を、入力ターゲット ビットレートの関数として指定します。

詳細は、 『H.264/H.265 Video Codec Unit LogiCORE IP 製品ガイド』 (PG252) の表「GStreamer のエンコード パラメーター」を参照してください。