Vivado 用 IP パッケージの生成 - 2023.2 日本語

Vitis Model Composer ユーザー ガイド (UG1483)

Document ID
UG1483
Release Date
2023-11-15
Version
2023.2 日本語

Vitis Model Composer では、Vivado の IP カタログで使用可能な IP パッケージが自動的に生成されます。Model Composer で IP カタログ用の出力ファイルが生成されると、まず C++ コードの生成 に示すように C++ コードが記述され、その C++ コードから RTL が合成されます。このプロセスは、Model Composer Hub ブロックの TargetIP catalog に設定し、Apply で変更を適用して Generate をクリックすると開始します。

Model Composer には、プロセスのログ ウィンドウが表示されます。プロセスが終了すると、 MATLAB® ウィンドウに合成レポートが表示されます。合成レポートには、Model Composer で合成された RTL デザインのパフォーマンス見積もりとリソース使用率の詳細が含まれます。このレポートを確認すると、見積もりを確認して、モデルを見直すことができます。

図 1. 合成レポート

Vitis Model Composer で RTL の合成が終了すると、ログ ウィンドウに「Exporting RTL as a Vivado IP」 (RTL を Vivado IP としてエクスポート中) というメッセージが表示され、Vivado が起動て、そのサブシステム デザインの IP がパッケージされます。

Model Composer では、このアルゴリズムにより、次の出力ファイルが生成されます。

  • SystemC (IEEE 1666-2006、バージョン 2.2)
  • VHDL (IEEE 1076-2000)
  • Verilog (IEEE 1364-2001)
  • 合成、C/RTL 協調シミュレーション、および IP パッケージの後に生成されるレポート ファイル。

Vitis Model Composer で IP パッケージが生成されると、プロジェクト ディレクトリ構造は次の図のようになります。Edge_Detection_IP フォルダーは、Model Composer Hub ブロックの Code Directory で指定したディレクトリです。Edge_Detection_prj フォルダーは、run_hls.tcl スクリプトで作成されたプロジェクトです。solution1 フォルダーは、Vitis HLS ソリューションです。詳細は、 『Vitis 高位合成ユーザー ガイド』 (UG1399) を参照してください。syn および impl フォルダーには、それぞれ合成およびインプリメンテーションの結果が保存されます。ip フォルダーには、Vivado Design Suite IP カタログに追加する IP パッケージが含まれます。

図 2. IP パッケージのフォルダー

Model Composer で IP パッケージが生成されたら、.zip ファイルのアーカイブ ディレクトリ (<project_name>/<solution_name>/impl/ip) を Vivado IP カタログにインポートして、Vivado Design Suite デザインで RTL IP として使用するか、IP インテグレーターで使用できます。

インターフェイス仕様の定義 に示すように、Interface Spec ブロックを使用して AXI4-Lite スレーブインターフェイスを指定する Model Composer モデルの場合、IP パッケージ プロセス中にソフトウェア ドライバー ファイルのセットも Vitis HLS で作成されます。これらの C ドライバー ファイルは SDK C プロジェクトに含めて、AXI4-Lite スレーブ ポートにアクセスするために使用できます。ソフトウェア ドライバー ファイルは、<project_name>/<solution_name>/impl/ip/drivers ディレクトリに書き込まれ、IP パッケージに含められます。

IP を Vivado IP カタログに追加するには、Vivado 統合デザイン環境 (IDE) で Tools > Settings をクリックし、Settings ダイアログ ボックスを開きます。IP > Repository をクリックし、Vitis HLS でパッケージされた IP を追加します。

図 3. IP リポジトリの設定

パスをリポジトリに追加したら、次の図に示すように IP が IP カタログに追加されます。これで IP を標準的な RTL デザインや Vivado IP インテグレーター ブロック デザインで使用できるようになります。IP の使用方法および IP リポジトリへの追加方法の詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: IP を使用した設計』 (UG896) を参照してください。

図 4. IP カタログ
重要: リポジトリが IP カタログに追加されているのに Vitis HLS でパッケージした IP が表示されない場合は、現在のプロジェクトのターゲット パーツと Model Composer の出力ファイルを生成したときに使用したデバイスとの互換性がない可能性があります。これは、現在のプロジェクトのパーツを Model Composer モデルで指定したデバイスに変更すると回避できます。