デバイス コンフィギュレーション - 2023.2 日本語

Power Design Manager ユーザー ガイド (UG1556)

Document ID
UG1556
Release Date
2023-10-18
Version
2023.2 日本語

デバイスの選択は、アプリケーションの重要な段階で、リソース、パフォーマンス、消費電力、パッケージの要件に基づいて決定する必要があります。要件を満たす最小のデバイスを選択することをお勧めします。

重要: Versal デバイスをターゲットとする場合、従来はロジック リソースを使用してインプリメントされていた多くのファンクションを NoC、DDRMC、MRMAC、および AI エンジン などのハード化された Versal IP ブロックに吸収させて、電力を削減できます。ハード IP へ吸収されたロジック リソースはすべて、忘れずに差し引いてください。

PDM は、AMD Kria™ K26、K24、UltraScale+ (RFSoC を除く)、および Versal デバイスをサポートしています。Versal デバイスの選択には、ファミリ、デバイス、デバイス グレード、パッケージ、スピード グレード、温度グレード、スタティック スクリーニング オプションが含まれます。デバイス選択時に Vccint 電圧やプロセスを初期化することもできます。Kria デバイスを選択する場合は、ファミリ、ボード、デバイス、プロセスを選択するオプションのみがあるグレードを選びます。各デバイスには、それぞれに異なる機能ブロックのセットがありますが、パッケージの選択により、使用可能な I/O とトランシーバーが決まります。詳細は、ターゲット ファミリの製品選択ガイド参照してください。Versal デバイスは次の温度グレードをサポートし、それぞれが消費電力に影響を与えます。

  • インダストリアルの動作温度範囲は -40℃ ~ 100℃ です。
  • 拡張動作温度範囲は 0℃ ~ 100℃ です。
  • Q グレードの動作温度範囲は -40°C ~ 125℃ です。
  • 防衛用の動作温度範囲は -55℃ ~ 125℃ です。
    ヒント: AMD デバイスの特定のスピード グレードは、デバイスの寿命期間が 3% の場合に 100℃ ~ 110℃ で動作する可能性があります。詳細は、 『逸脱温度を利用した熱ソリューションの拡張』 (WP517) および 『Versal アーキテクチャおよび製品データシート: 概要』 (DS950) を参照してください。

AMD 独自のパワー ビニング ストラテジにより、Extended グレード デバイスと比較すると、インダストリアル グレードのスタティック消費電力を低減できます。Versal デバイスでは、最高の毎ワット パフォーマンスを実現する鍵となる、拡張電圧スケーリング オプションが提供されています。Versal デバイスでは、次の動作モードがサポートされます。

  • ハイ パフォーマンスのコアの動作電圧は 0.88V (VHP)
  • バランス調整済みで、中パフォーマンスのコアの動作電圧は 0.80V (VMP)
  • 低消費電力コアの動作電圧は 0.70V (VLP)
図 1. サマリ ページでのデバイス選択

Process は、デバイスの製造プロセスのバリエーションを示すもので、リーク電力に大きな影響を与えます。プロセス バリエーション モデルは、デバイス仕様に違反することなく歩留まり要件を満たすための一般的な業界慣行です。デバイス製造時にシリコン プロセスによってトランジスタの特性が変化することで、デバイス間でバリケーションが生じます。Typical は、デバイスがパフォーマンスと消費電力の両方の仕様を満たす中間を、[Maximum] はワースト ケースのプロセス バリエーションを表します。