この資料は、消費電力見積もりをする AMD Power Design Manger (PDM) の使用方法について説明します。早期のデザイン サイクルでは、正確に消費電力を見積もることが、できるだけ消費電力を最小限に抑える鍵となります。早期段階の消費電力の見積もりでは、適切なデバイスの選択、アーキテクチャ上の利点の活用、デザイン トポロジの変更、および異なる IP ブロックの使用が重要です。設計段階の前に、よりよいトレード オフをしておくことで、仕様を満たし、製品をより迅速に市場に送り出すことができます。
AMD は、通常デザイン インプリメンテーション前の見積もりに使用する PDM と、デザイン インプリメンテーション中に使用するより正確な AMD Vivado™ の [Report Power] という機能を提供しています。PDM ツールは、AMD Versal™ デバイス ファミリ、AMD Kria™ デバイス、および RFSoC デバイスを除くすべての AMD UltraScale+™ デバイスをサポートしています。
AMD では、デザイン サイクル全体で消費電力問題を解決するために、次の消費電力設計手法を推奨しています。
プロジェクトがまだ概念的でしかない段階や、アーキテクチャを模索している段階では、アーキテクチャの詳細があまり決まっていない状態で消費電力バジェットを査定することが重要です。PDM ツールでは、ほとんどの早期の消費電力問題が認識されるようになっています。通常は、プロジェクトの設計前およびインプリメンテーション前の段階で使用することで、アプリケーション特有のアーキテクチャ評価、デバイス選択、適切な電源コンポーネント、および温度管理ソリューションが決定しやすくなります。PDM ツールでは、デザイン リソースの使用率、トグル レート、I/O 負荷など、さまざまな要素が考慮されます。こうした要素とデバイス モデルとを合わせると、電力配分の見積もりを計算しやすくなります。デバイス モデルは、測定、シミュレーション、および外挿から抽出されます。
PDM ツールの精度は、次の 2 組の入力要素に依存します。詳細は次のとおりです。
- デバイスの使用率、温度環境とソリューション、クロック周波数、イネーブル レート、トグル レート、およびツールに入力するその他の情報
- PDM ツールに統合されたデバイス データ モデルの消費電力特性評価精度
アプリケーションの消費電力を正確に見積もるには、できるだけ情報を入力する必要があります。デザインのある側面を厳しすぎる設定でモデリングしたり、デザインに関する知識が十分でないままモデリングしたりすると、見積もり値が非現実的になりかねません。この資料では、ワースト ケースの見積もりや一般的な見積もりを達成する手法について説明します。