スイッチング速度と容量負荷が高い場合、スイッチング I/O 消費電力により、AMD デバイスの総消費電力の相当な部分が消費される可能性があります。したがって、すべての I/O 関連のパラメーターは、できるだけ正確に定義する必要があります。[I/O Power] シートに基づいて、XPE がオンチップ電力を算出し、最終的に I/O インターフェイスのオフチップ電力を算出します。
XPE に含まれる Memory Interface Configuration ウィザードを使用すると、I/O の消費電力 (デバイスの外部メモリへのインターフェイスで使用) を正確に見積もるために必要な重要なパラメーターが即座に入力できます。ウィザードを使用して [I/O Power] シートにメモリ インターフェイスの情報を入力する具体的な方法は、Memory Interface Configuration ウィザードと [I/O Power] シートを参照してください。
次の図に、UltraScale および 7 シリーズ デバイスのスプレッドシートの [I/O Power] シート上部を示します。
前の図は、I/O シートに入力される主な 3 つのタイプの情報 (IO Settings、Activity と、External Termination (必要な場合のみ)) を示しています。
次の各項で、これらの列の入力方法について説明します。
- [I/O Settings]
-
- [I/O Standard] (I/O 規格)
- このインターフェイスで使用する I/O 規格を指定します。このドロップダウン
メニューでは、オンチップ終端を使用するコンフィギュレーション名の接尾に DCI が付きます。差動 I/O
規格の接尾語はペアになります。XPE はその I/O 規格のデータシートに記載されている公称値に最も近い規格の Vcco レベル
(たとえば 3.3V) を想定して計算をします。 注記: Spartan-6 デバイスの場合、オープン ドレイン規格の I2C と SMBUS では、2.7 ~ 3.45V の VCCO (公称 3.0V) を使用できます。XPE では VCCO を 3.3V として計算されます。推奨: 出力信号の消費電力を最小限に抑える場合は、パフォーマンス目標を満たす最低レベルのドライバー設定を使用してください (駆動電流とスルー レートを下げる)。ヒント: 7 シリーズ デバイスでは、オンチップ終端された規格を使用すると、レシーバー波形でのシグナル インテグリティが改善されます。AMD デバイス内には終端が組み込まれているため、終端電力がデバイスのジャンクション温度を上げる原因となります。この消費電力を最小限に抑えるには、できる限りトライステート可能なオンチップ終端規格 (T DCI が付く規格) を使用してください。
- I/O 方向の列
- 各 I/O インターフェイスの [Input Pins]、[Output Pins]、および [Bidir Pins] (双方向) に信号数を入力します。推奨: 入力と出力のトグル動作が異なる場合があるため、AMDでは各方向の数値を別の行に入力することを推奨しています。ヒント: 差動 I/O ペアごとに 1 つのピンを入力します。たとえば、メモリに 4 つの差動 DQS ペアがある場合、[Input Pins] 列に 4 を入力します。
- I/O パフォーマンスの設定
- [I/O LOGIC SERDES] や [BITSLICE] などのパフォーマンス設定は、デバイス ファミリによって異なります。これらの I/O に対して、適切なコンフィギュレーションを入力します。重要: パフォーマンス設定を使用すると、通常は消費電力が増加します。これらの設定は、I/O インターフェイスに必須の場合にのみ使用するようにしてください。
- オンチップ終端
- [Input Term] では、選択した I/O 規格に対応する入力終端を選択します。オンチップ差動終端を使用する場合は、[DIFF_TERM] を選択します。HP バンク内でオプションのオンチップ終端を使用する場合は、[UNTUNED_SPLIT_40]、[UNTUNED_SPLIT_50]、または [UNTUNED_SPLIT_60] (Ω) のインピーダンスを選択します。UltraScale デバイスの XPE スプレッドシートでは、入力終端と出力終端の両方を指定できます。[Input Term] では、オンチップ差動終端を使用する場合は、[DIFF_TERM] を選択します。オンチップ入力終端を使用する場合は、[DCI] またはキャリブレーションされていない終端インピーダンスを選択します。[Output Term] では、HP バンク内でオンチップ出力終端を使用する場合は、[RDRV_40_40]、[RDRV_48_48]、または [RDRV_60_60] を選択します。トランスミッターのプリエンファシス機能を使用する場合は、[Pre-Emphasis] を [Yes] に設定します。
- [Activity]
- 次の列に、各 I/O インターフェイスに該当する動作を入力します。
- [Clock (MHz)]
- [Synchronous signals]: これらの信号をキャプチャまたは生成するクロックの周波数を入力します。
[Asynchronous signals]: 信号の同等周波数を計算します。たとえば、信号が毎秒 200 万回トグル (ステートが変更) する場合は、この列に 1 と入力します (信号レートを周波数に変換する場合は、1 周期を構成するために 2 回遷移させる必要があります。つまり、0 から 1 への遷移と 1 から 0 への遷移)。
- [Toggle Rate]
- [Synchronous elements]: この信号がステート遷移するクロックのトグル レートを入力します。たとえば、平均して 8 クロック サイクルに 1 回データを変更する場合は、12.5% (1/8 をパーセンテージに変換) と入力します。
[Asynchronous elements]: 上記の Clock (MHz) で説明したとおり、Clock (MHz) に相当する周波数を入力し、この列は 100% として入力します。
- [Data Rate]
- [Synchronous elements]: クロックの立ち上がりおよび立ち下がりの両方のエッジで信号がサンプルされる場合には、DDR と入力します。信号がクロックの 1 つのエッジだけでサンプリングされる場合は、SDR を入力します。注記: [Data Rate] が DDR の場合、指定されたトグル レートは消費電力の見積もりのために内部で 2 倍になります。ダブル データ レートのトグル レートを明示的に計算することはできません。[Asynchronous elements] および [Clocks]: Async または Clock と入力します。
- [Output Enable]
- [Input only signals]: この列の値は結果に影響を与えません。
[Output and bidirectional signals]: 出力バッファーが値を駆動する時間をパーセンテージ (バッファー駆動が無効またはトライステートの時間に対する比率) で示します。
ヒント: 前の図の 1 行目と 2 行目に示すように、[Output Enable] 設定は 100% となっています。これは、双方向信号の使用時によく起こる間違いであり、デフォルトのままで算出すると消費電力の見積もりの精度が低下してしまいます。 - [Term Disable]
- ファブリックで使用しない場合は、DCI または IOB33 OCT をディスエーブル (DCITERMDISABLE) に設定します。DCI または ICT 終端が無効にされる時間のパーセンテージを入力します。
- [IBUF Disable]
- HSTL/SSTL IBUF をファブリックで使用していないときは、低消費電力アイドル (IBUFDISABLE) に設定します。IBUF が無効にされる時間のパーセンテージを入力します。
- [Output Load]
- ボードと (モジュール内の出力によって駆動される) ほかの外部容量の消費電力係数を入力します。
- [External Termination]
- 使用可能なオンチップ終端を使用しない場合は、XPE を使用して、外部ボードの終端抵抗ネットワークなどのオフチップ コンポーネントに AMD デバイスが供給する電力を計算できます。出力として設定された I/O では、複数の終端タイプがサポートされます。多くの場合、消費電力の見積もりにはドライバー側の詳細が必要となりますが、XPE ではこれらを入力できないため、外部入力終端には対応していません。注記: Show External Board Termination 設定をオンにして、これらの列と、表の下に図を表示します。この図にはサポートされる出力終端トポロジが表示されるため、構築するトポロジに応じて、どの列に入力するかを簡単に理解できます。
- [Term.Type]
- ドロップダウン リストから適切な終端トポロジを選択します。
- [R/RDIFF] および [RS]
- 一部の終端手法では 2 つの抵抗値が必要ですが、通常は 1 つのみです。終端図を参照して、適切な列に抵抗値を入力します。次の図に、現バージョンでサポートされている I/O 終端トポロジを示します。