[Settings] パネルの使用 - 2023.2 日本語

Xilinx Power Estimator ユーザー ガイド (UG440)

Document ID
UG440
Release Date
2023-10-19
Version
2023.2 日本語

Settings パネルを使用して、ボード、冷却機、および ISE Design Suite または AMD Vivado™ Design Suite 設定の詳細を指定します。このパネルの内容は、ターゲット デバイスによって多少異なります。次の図は、Kintex UltraScale デバイスの例です。

一部の設定は、ほかの設定によって決定されます。このような場合は変更不可となり背景色が灰色表示されます。

図 1. [Settings] パネル

[Settings] パネルの内容は次のとおりです。

[Device]
システム要件を満たす最小サイズのデバイスを選択します。
重要: デバイス サイズが大きくなるほど、デバイスのスタティック消費電力が高くなります。
7 シリーズ デバイス スプレッドシートには、[Speed Grade] に 「-1」、[Temp Grade] に [Commercial]、[Process] に [Maximum] を指定した AMD Virtex™ 7 に適用される [Voltage ID Used] の入力があります。[Voltage ID Used] に [Yes] を設定した場合、XPE はこの Voltage ID 電圧で動作するデバイスに基づいて消費電力を計算します。Voltage ID (VID) 電圧は、AMD デバイスがパフォーマンスの仕様を満たしながら動作可能な最小 VCCINT 電圧です。この電圧はAMD デバイスの製造時にテストされており、その値はAMD デバイスの DNA eFuse レジスタにプログラムされています。VID 機能をデザインで有効にしてAMD デバイスをこの VID 電圧で動作させると、公称電圧での動作時と比較してAMD デバイスの消費電力を大幅に削減できます。
[Environment]
XPE がジャンクション温度の見積もり値をレポートするには、どのようにデバイス ロジックが構成され、有効になるかを理解する必要があります。また、デバイス環境の詳細も必要です。熱が周囲空気 (ΘSA) または PCB (ΘJB) にどのように伝わるかを示す情報は、デバイスのジャンクション温度に影響します。これらのパラメーター値がわかる場合は入力してください。わからない場合は、ドロップダウン リストを使用して、対象となるプロジェクトに最も近い環境設定を選択してください。この設定をすると、[Effective ΘJA] 値が間接的に算出されます。
重要: XPE は 2-R 熱モデルを使用してジャンクション温度を計算します。XPE の熱モデルは、熱がデバイスの上部および下部の 2 つの主な経路を通ってボードへ流れることを想定しています。この熱モデルは、実効熱抵抗およびジャンクション温度の計算で入力した、周囲温度、エアフロー、ヒートシンク、ボードの選択に関する環境設定を利用します。

XPE によるジャンクション温度の見積もりはボードのセットアップに基づいて実行されますが、このセットアップは実際のボードのものとは異なることがあります。このため、XPE は、AMD デバイスの近くにあるほかのボード コンポーネントなど、実際のボード システム上のほかの熱源の影響を考慮に入れません。このような違いが原因で、XPE による温度の見積もりと実際のシステムの温度測定の間に差が生じることがあります。

[Implementation]
インプリメンテーション オプションは選択したデバイスごとにラベルされます。ラベルは、次のとおりです。
  • Implementation (7 シリーズ, AMD UltraScale™ および AMD UltraScale+™ デバイス)
  • PL Implementation (AMD Zynq™ 7000 SoC および AMD Zynq™ UltraScale+™ MPSoC)
  • [ISE] (以前の FPGA アーキテクチャ)ISE

このセクションの設定を合成およびインプリメンテーション ツールに適用して、さまざまな目的に合わせて消費電力を最小限に抑えることができます。実際に使用する ISE Design Suite または Vivado Design Suite の設定と同じになるように指定します。この設定は、カスタマー デザインのコア ダイナミック消費電力に影響します。

重要: UltraScale/UltraScale+ デバイスのスプレッドシートでは、このセクションは Implementation となっており、Power Optimization, Default および None 設定のみ使用できます。7 シリーズ のスプレッドシートでは、このセクションは Implementation となっており、Default および Power Optimization 設定のみ使用できます。Zynq 7000 SoC および Zynq UltraScale+ MPSoC のスプレッドシートでは、このセクションは PL Implementation となっており、DefaultPower Optimization、および Powered Off 設定のみ使用できます。

最適化の設定は次のとおりです。

[Area Reduction]
スライス使用率を最小化
[Balanced]
デフォルトの ISE Design Suite オプション
[Default]
デフォルトの ISE または Vivado Design Suite オプション
[Minimum Run-time]
ランタイムを最小化
[Power Optimization]
コアのダイナミック消費電力を最小化
[Timing Performance]
タイミング パフォーマンスを検証
[Powered Off]
Zynq 7000 SoC および Zynq UltraScale+ MPSoC デバイスのみ
[None] (UltraScale/UltraScale+ デバイスのみ)
すべての消費電力最適化をオフ
[Power Mode]
[Power Mode] は、一部のデバイス ファミリでのみ使用できます。この設定を使用して、デバイスの異なる動作モードおよびパワーダウン モードでの消費電力の見積もりを確認できます。