[Snapshot] シートでは、異なる条件やデザイン サイクル段階で、デザインの消費電力ステータスのスナップショットを取ることができます。それぞれのスナップショットには、デバイスの製品番号、環境に関する情報、デザインの消費電力、そしてデザインで使用される各電源の電圧と電流が表示されます。[Snapshot] シートを使用して、さまざまな条件下の消費電力とデザイン サイクルの異なる段階で計算された消費電力を比較できます。
図 1. [Snapshot] シート (7 シリーズ デバイス)
スナップショットには次の情報が表示されます。
- 当該 XPE スプレッドシートの特定時の消費電力情報。スナップショットの作成時、この情報はすべてこのスプレッドシートの [Summary] シートから [Snapshot] シートへコピーされます。
- 別の XPE スプレッドシートの特定時の消費電力情報。スナップショットの作成時、この情報はすべて別のスプレッドシートの [Summary] シートから [Snapshot] シートへコピーされます。
- ISE ツールでインプリメントされたデザインの特定時点での消費電力情報。スナップショットの作成時、電力情報は、ISE の消費電力レポート (Power Report) から [Snapshot] シートへインポートされます。
[Snapshot] シートを使用することで、デバイスまたはそのデバイス動作が予測される環境の条件を変更し、その消費電力への影響を確認できます。ISE ツールによるデザインのインプリメント時に算出された消費電力のスナップショットを作成することも可能で、インプリメント前後に計算されたデザインの消費電力を比較できます。
スナップショットによって、次を確認できます。
- 異なるアーキテクチャでデザインをインプリメントした場合、消費電力はどのように変化するか。Kintex デバイスと Artix デバイスで同じデザインをインプリメントした場合の消費電力の違いはどのくらいか
- デザインの消費電力がジャンクション温度のファンクションとしてどのように変化するか
- GT 電力の消費電力がデバイス タイプのファンクションとしてどのように変化するか
- 電力最適化を適用することで、または -2L (低消費電力) や 0.9V デバイスを選択することで、消費電力がどのくらい削減できるか
- 標準動作条件と最大動作条件で、消費電力および温度がどのように変化するか
- 電力、機能、およびパフォーマンスの観点でデザイン変更することで、消費電力がどのように変化するか
- Xilinx Power Estimator (XPE)、XPower Analyzer (XPA)、および Vivado 消費電力レポート ツールで、消費電力の見積もり値がどのように変化するか
- クロック周波数の変更に伴って消費電力がどのように変化するか
- 設計前の見積もりが、設計後の結果およびインポートされた設計データとどのように比較されたか
[Snapshot] シートは次の 4 つの表で構成されています。
- [Settings]
- 次の情報が表示されます。
- スナップショットの名前 (表の一番上の行)。
- スナップショット データを作成したソースおよびそのバージョン (たとえば、インポートされたスナップショットでは ISE: 13.4)。
- スナップショットが作成された日時。
- XPE またはインポートしたソースのファイル名。
- 電力値の計算対象となった Part (デバイス、パッケージ、およびスピード グレード)。
- スナップショット作成時に指定されている、デバイス動作の想定 Ambient Temperature の値。
- スナップショット作成時に指定されている Process ([Typical] または [Maximum])。Process の設定には、製造過程における消費電力も考慮されます。
- スナップショット作成時に指定されている Implementation ([Default] または [Power Optimization])。この設定の場合、ISE Design Suite または Vivado Design Suite の合成ツールとインプリメンテーション ツールで、デザインがインプリメントされるときに異なる目的に向けて消費電力を最小化することに焦点を当てます。
- [Summary]
- 次の情報が表示されます。
- Total On-Chip Power - 各スナップショットのデバイスで消費される総電力量。これには、デバイスのスタティック消費電力、およびデザインのスタティック消費電力とダイナミック消費電力が含まれます。
- スナップショット作成時に指定されている、デバイスが動作する Junction Temperature および Effective ΘJA の値。
- [On-Chip Power]
-
- リソース
タイプ別のデバイスで消費される総電力量。
場合によっては、1 行に複数のリソースが含まれることがあります。たとえば、Clocking の行にはクロック ネットのほかに、PLL や MMCM などのクロック マネージャーに関する消費電力も含まれることがあります。また、Transceivers の行には、マルチギガビット トランシーバー (MGT) とハード IP ブロックに関連する消費電力が表示される場合があります。
- [Supply Summary]
- 各種電源の電圧および電流の見積もり値。このパネルの値は、内部ロジックで必要なすべての電力、および外部のボード終端などの AMD デバイス外部で消費される電力が含まれます。また、スタティック消費電力とダイナミック消費電力の両方が含まれます。