アドレス ミラーリングを利用したクラムシェル配線の簡素化

Versal アダプティブ SoC PCB デザイン ユーザー ガイド (UG863)

Document ID
UG863
Release Date
2024-04-01
Revision
1.8 日本語

クラムシェル トポロジにはボードスペースの削減などのメリットがありますが、メモリ デバイスのパッケージ ピンの位置が非対称であるため、上層と下層の間にあるメモリ デバイス下の領域で配線が密集しやすくなります。その他のトポロジほど多くのグランド リターン ビアを設けられないので、配線が密集するとクロストークが大きくなり、上層および下層でスタブ トレースが長くなる可能性があります。アドレス ミラーリングを使用すると、メモリ デバイスの特定ピンの機能を真上または真下にあるピンに対応するように変更できます。1 つのビアを信号用と、各デバイスのランド パッドへの短いスタブ用に兼用できます。アドレス ミラーリングは、JEDEC 規格 JESD21-C で定義されています。DDR4 SDRAM では、次の表に示すように 12 本のコマンド/アドレス/制御ピンをミラーリングできます。

重要: キャリブレーションを正しく完了させるには、CS0 とバイト 0 (DQ[7:0]) をミラーリングされていないデバイスに関連付ける必要があります。
表 1. DDR4 SDRAM のミラーリング可能ピン
メモリ コントローラー ピン DRAM ピン (ミラーリングされていない状態) DRAM ピン (ミラーリングされた状態)
A3 A3 A4
A4 A4 A3
A5 A5 A6
A6 A6 A5
A7 A7 A8
A8 A8 A7
A11 A11 A13
A13 A13 A11
BA0 BA0 BA1
BA1 BA1 BA0
BG0 1 BG0 BG1
BG1 1 BG1 BG0
  1. BG0 と BG1 のミラーリングは、ピン BG1 がメモリ デバイスに存在する場合のみ可能です。