プロジェクト モードの使用 - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: デザイン フローの概要 (UG892)

Document ID
UG892
Release Date
2023-10-19
Version
2023.2 日本語

AMD Vivado™ Design Suite をプロジェクト モードで使用する場合、プロジェクト ディレクトリ構造が作成され、ソース ファイル、制約、IP データ、合成およびインプリメンテーション run の結果、レポートなどが自動的に管理されます。Vivado Design Suite では、ソース ファイルのステータス、コンフィギュレーション、デザインの状態なども管理およびレポートされます。

Vivado では、Flow Navigator (次の図) を使用すると、合成およびインプリメンテーションなどの定義済みデザイン フロー手順を起動できます。AMD Versal™ アダプティブ SoC の Generate Bitstream または Generate Device Image をクリックすると、Vivado IDE で最新のデザイン ソースを使用してデザインが合成およびインプリメントされ、その後ビットストリーム ファイルが生成されます。この環境では、プッシュボタン デザイン フローが提供されるほか、デザイン管理および解析のアドバンス機能も提供されます。run はさまざまなインプリメンテーション コマンドを統合したラッパー Tcl スクリプトにより実行され、自動的に標準レポートが生成されます。さまざまな run ストラテジを使用することで、配線密度およびタイミング クロージャなどのさまざまなデザインの問題点を見つけることができます。同時に複数のインプリメンテーション run を実行して、最適な結果になるかどうかを確認することもできます。

注記: run ストラテジは、プロジェクト モードにのみで使用できます。非プロジェクト モードの場合、すべての指示子およびコマンド オプションを手動で設定する必要があります。

プロジェクト モードは Vivado IDE または Tcl コマンド/スクリプトを使用して実行できます。プロジェクト内で Vivado IDE と Tcl を切り替えて使用することもできます。Vivado IDE でプロジェクトを開くか作成すると、デザインの現在の状態、run の結果、生成されたレポートおよびメッセージが表示されます。ソースの作成および変更、制約の適用、デバッグ情報の適用、ツール設定の指定、デザイン タスクの実行などが可能です。

Vivado には、デザイン フローのさまざまな段階でデザインを開くことができるユニークな機能があります。RTL エラボレーション、合成、およびインプリメンテーションの後にデザインを開き、解析および制約の定義を実行できます。デザインを開くと、Vivado ツールでターゲット デバイスに対してネットリストと制約がコンパイルされ、Vivado IDE でデザインが表示されます。デザインを開いたら、さまざまな解析およびレポート機能を使用して、異なる条件や観点からデザインを解析できます。制約およびデザイン変更を適用して保存することもできます。詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: デザイン解析およびクロージャ テクニック』 (UG906) を参照してください。

図 1. Vivado IDE の Flow Navigator