アウト オブ コンテキスト デザイン フロー - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: デザイン フローの概要 (UG892)

Document ID
UG892
Release Date
2023-10-19
Version
2023.2 日本語

デフォルトでは、Vivado Design Suite は、アウト オブ コンテキスト (OOC) デザイン フローを使用して、IP カタログからの IP および Vivado IP インテグレーターからのブロック デザインを合成します。OOC フローでは、階層デザインのデザイン モジュール、IP コア、またはブロック デザインを最上位デザインからは独立させて合成、インプリメント、解析できます。OOC フローでは、合成結果を保存し再利用できるので、デザイン サイクル時間を短縮し、デザインの反復作業を省くことができます。

Vivado IP カタログからデザインに追加された IP コアは、デフォルトで OOC フローを使用するようになっています。詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: IP を使用した設計』 (UG896) を参照してください。Vivado IP インテグレーターで作成されたブロック デザインも、出力ファイルを生成するときには、デフォルトで OOC フローを使用するようになっています。詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: IP インテグレーターを使用した IP サブシステムの設計』 (UG994) を参照してください。

Vivado Design Suite では、デザインのグローバル合成およびインプリメンテーションがサポートされ、すべてのモジュール、ブロック デザインおよび IP コアが統合された最上位デザインの一部として合成できます。OOC フローでは、特定のモジュールをアウト オブ コンテキスト合成するようマークし、それ以外のモジュールは最上位デザインのグローバル合成に含めることができます。Vivado IP インテグレーターからのブロック デザインの場合は、ブロック デザイン全体を OOC 合成に指定するか、IP ごと、またはブロック デザインで使用される IP ごとに OOC 合成を指定できます。グローバル モードで実行する場合、デザイン制約はすべて Vivado 合成で表示可能になっています。OOC モードで実行する場合は、見積もられた制約が合成中に使用されます。

Vivado 合成ツールには、同じ IP カスタマイズを使用するほかのデザインで再利用できるよう、OOC 合成の結果を保存するキャッシュがあります。これにより、大型で複雑なデザインの合成に要する時間をかなり短縮できます。

OOC IP またはモジュールに対し、デザイン チェックポイント (DCP) が作成され、これには合成済みのネットリストおよびデザイン制約が含まれています。OOC モジュールは、合成したデザインを開いてすべてのエレメントがアセンブルされるまでは、最上位デザインでブラック ボックスとして表示されます。最上位の合成デザインを開く前は、最上位デザインのリソース使用率および解析に OOC モジュール (ブラック ボックス) のネットリストやリソース情報が含まれない可能性があるので、デザインの完全なビューは提供されません。

重要: より正確なレポートを取得するには、統合された OOC モジュールがすべて含まれる最上位の合成済みデザインを開いて解析してください。

OOC フローは、Vivado 合成、インプリメンテーション、および解析でサポートされます。詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: 合成』 (UG901) を参照してください。OOC 合成は、階層設計手法およびチーム デザイン アプローチにも使用されます。