プロジェクト モードでは、Vivado IDE でデザインの履歴が管理され、デザインに関する情報が保存されます。ただし、多くの機能は自動化されているので、デフォルト フローではユーザーが制御できる部分は少なくなり、たとえば、各 run に対し標準セットのレポート ファイルのみが生成されます。ただし、Tcl コマンドまたはスクリプトを使用すれば、プロジェクト モードでのツールのフローおよび機能はカスタマイズできます。
次の自動化機能は、プロジェクト モードを使用した場合にのみ使用できます。
- そのままで使えるデザイン フロー
- 使いやすいプッシュボタン インターフェイス
- カスタマイズのための優れた Tcl スクリプト言語
- ソース ファイルの管理およびステータス
- 標準レポートの自動生成
- ツール設定およびデザイン設定の保存および再利用
- 複数の合成およびインプリメンテーション run の試行
- run 結果の管理およびステータス
非プロジェクト モードはむしろコンパイルの手法であって、Tcl コマンドで実行されるアクションはすべて、ユーザー制御が可能です。このモードはフル カスタマイズ可能なデザイン フローなので、制御やバッチ プロセスを必要とする、特定の設計者に適しています。すべての処理はメモリ内で実行され、ファイルやレポートは自動的には生成されません。つまり、デザインをコンパイルするたびに、すべてのソースを定義し、ツールおよびデザイン コンフィギュレーションのパラメーターをすべて設定し、すべての Tcl コマンドを実行し、レポート ファイルを生成する必要があります。この一連の作業には、Tcl スクリプトを使用できます。ディスク上にプロジェクトは作成されないので、ソース ファイルは元の場所に引き続き保存され、デザイン出力は、出力が必要だと指定したときにのみ指定ディレクトリに作成されます。非プロジェクト モードなら、Tcl コマンドの優れた機能をすべて活用でき、デザイン プロセス全体を完全に制御できます。多くのユーザーが、ツールとデザイン データの操作にこのバッチ コンパイル型の手法を使用しています。
次の表に、プロジェクト モードと非プロジェクト モードの機能の違いを示します。
フローの要素 | プロジェクト モード | 非プロジェクト モード |
---|---|---|
デザイン ソース ファイルの管理 | 自動 | 手動 |
フロー ナビゲーション | ガイド | 手動 |
フローのカスタマイズ | Tcl コマンドで制限なし | Tcl コマンドで制限なし |
レポート | 自動 | 手動 |
解析段階 | デザインおよびデザイン チェックポイント | デザインおよびデザイン チェックポイント |