メタコメント - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: Tcl スクリプト機能の使用 (UG894)

Document ID
UG894
Release Date
2023-11-17
Version
2023.2 日本語

Tcl スクリプト内のすべてのプロシージャには、必須のメタコメントを含める必要があります。この規則は、名前空間からエクスポートされているユーザー プロシージャとヘルパー プロシージャの両方に適用されます。メタコメントが含まれていない場合、Vivado Tcl Store リンターによりエラー メッセージが生成されます。エクスポートされたすべてのプロシージャのメタコメントには、完全な情報が含まれていることが必要です。ヘルパー プロシージャのメタコメントは空にすることが可能ですが、メタコメントは宣言する必要があります。

メタコメントは、プロシージャの機能の簡単な説明、カテゴリ情報、プロシージャでサポートされるコマンド ライン オプションのリストなどの情報をシステムに提供します。メタコメントは、プロシージャ定義とコードの最初の行の間に挿入する必要があります。すべてのメタコメントが必須です。

必須のメタコメントは、次のとおりです。

Summary
プロシージャの機能のサマリ。複数行にできます。このサマリは、[Xilinx Tcl Store] ダイアログ ボックスにプロシージャの説明として表示されます。
Argument Usage
プロシージャのコマンド ライン引数のリスト。ヘルプ システムを構築するのに使用されます。このガイドの別のセクションで、サポートされるフォーマットを示します。
Return Value
プロシージャの戻り値。ヘルプ システムを構築するのに使用されます。
Categories
アプリのカテゴリのリスト。アプリをリストする Vivado ヘルプ システムのカテゴリを指定します。「Categories:」の後にカテゴリをカンマで区切ってリストします。慣習として、最初に xilinxtclstore を指定し、その後にアプリ名を指定します。

次に、ユーザー プロシージャに必要なメタコメントの例を示します。

proc ::tclapp::mycompany::template::my_command1 { args } {
  # Summary: Multi-lines summary of
  # what the proc is doing
  # Argument Usage:
  # [-verbose]: Verbose mode
  # [-file <arg>]: Report file name
  # [-append]: Append to file
  # [-return_string]: Return report as string
  # [-usage]: Usage information
  # Return Value:
  # return report if -return_string is used, otherwise 0. If any error occur TCL_ERROR 
is returned
  # Categories: xilinxtclstore, template
  # The code for the proc starts below
 …
}
注記: サブ名前空間にヘルパー プロシージャと共に作成されたプロシージャ my_command1 ではなく、名前空間からエクスポートされるユーザー プロシージャに詳細なメタコメントを含める必要があります。

次に、ヘルパー プロシージャのメタコメントの例を示します。すべてのメタコメントが定義されていますが、空です。

proc ::tclapp::mycompany::template::my_command1::lshift {inputlist} {
  # Summary :
  # Argument Usage:
  # Return Value:
  # Categories:
  # The code starts below
 …
}

スクリプトに含まれるすべての Tcl スクリプトにすべてのメタコメントを含める必要がありますが、詳細情報を含める必要があるのは、名前空間からエクスポートされるユーザー プロシージャです。