IP で配布される XDC ファイルは、XDC ファイルの 2 つのプロパティを使用して、IP インスタンスに適用範囲が限定されます。
-
SCOPED_TO_REF
: XDC ファイルを適用するモジュールを指定します。 -
SCOPED_TO_CELLS
: XDC ファイルを適用するモジュールのセルを指定します。
これらのプロパティの詳細は、『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: 制約の使用』 (UG903) を参照してください。
最上位で IP の制約を無効化する場合は、次の 2 つの選択肢があります。
- 階層を指定して IP の特定のセルを指定します。IP のインスタンスが複数ある場合は、次のいずれかを実行します。
- ワイルド カードを使用します。
- 各 IP に対して制約を複製します。
- IP で使用される
SCOPED_TO_REF
およびSCOPED_TO_CELLS
プロパティを使用し、IP が階層の最上位にあるのと同様に制約を記述します (推奨)。
SCOPED_TO_REF
および SCOPED_TO_CELLS
の値を確認するには、report_compile_order -constraints
コマンドを使用します。IP ファイルセットの合成またはインプリメンテーションのセクションを確認します。
図 1. 合成ファイルセット
SCOPED_TO_REF
は通常 IP カスタマイズ名です。SCOPED_TO_CELLS
は通常、Verilog では inst
、VHDL では U0
です。
IP の XDC を無効にするには、新しい XDC または Tcl ファイルを作成してすべての XDC/Tcl コマンドを含め、SCOPED_TO_REF
および SCOPED_TO_CELLS
プロパティを 1
でリストされているように設定することをAMDではお勧めしています。
すべての手順は、次のようになります。
- 新しい XDC または Tcl ファイルを作成し、アクティブ制約セットに追加します。
- IP の XDC に置き換わる XDC または Tcl コマンドを新しいファイルに含めます。
-
set_property
コマンドを使用してSCOPED_TO_REF
およびSCOPED_TO_CELLS
プロパティを設定します。set_property SCOPED_TO_REF <REF> [get_files <new XDC/Tcl file>] set_property SCOPED_TO_CELLS <CELL> [get_files <new XDC/Tcl file>]
- XDC/Tcl ファイルがインプリメンテーションのみに使用されるようにします。
set_property USED_IN IMPLEMENTATION [get_files <net XDC/Tcl file]