ハードウェア協調シミュレーション用のモデルのコンパイル - 2020.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: System Generator を使用したモデル ベースの DSP デザイン (UG897)

Document ID
UG897
Release Date
2020-11-18
Version
2020.2 日本語

ハードウェア協調シミュレーションは、ハードウェアで実行する System Generator モデルまたはサブシステムから始めます。基本的なハードウェア ボードの要件を満たしているモデルであれば、どのモデルでも協調シミュレーションが可能です。モデルには System Generator トークンを含める必要があります。このブロックは、モデルのハードウェアへのコンパイル方法を定義します。

System Generator トークンの使用方法は、System Generator トークンを使用したコンパイルおよびシミュレーションを参照してください。

ハードウェア協調シミュレーション用に System Generator モデルをコンパイルするには、次を実行します。

  1. System Generator トークンをダブルクリックして、System Generator トークンのパラメーター ダイアログ ボックスを開きます。
    図 1. System Generator トークンのパラメーター ダイアログ ボックス

  2. Compilation タブの Board でボードおよびそのバージョンを選択します。

    Board リストに表示されるボードは次のとおりです。

    • Vivado Design Suite の一部としてインストールされているボードすべて。
    • Vivado Design Suite で作成されたカスタム ボード。
    • 購入し、Vivado Design Suite でイネーブルになっているパートナー ボード。

    パートナー ボードまたはカスタム ボードが Board リストに表示されるようにするには、ボードを記述するボード ファイルにアクセスするよう System Generator を設定する必要があります。System Generator でのボード サポートについては、System Generator でのボード サポートの指定を参照してください。

    ハードウェア協調シミュレーション用にコンパイルするには、Board でボードを選択する必要があります。BoardNone に設定したり、Part の代わりに Board を選択することはできません。

    Board を選択すると、Part フィールドに Board で選択したザイリンクス デバイスの名前が表示されます。Part の設定は変更できません。

  3. CompilationHardware Co-Simulation を選択し、必要に応じて JTAG または Point-to-Point Ethernet インターフェイスのいずれかを選択します。

    Hardware Co-Simulation オプションが淡色表示されていて選択できない場合は、そのボードでは JTAG ハードウェア協調シミュレーションは実行できません。現時点では、ザイリンクスの KC705 および VC707 評価ボードでのみポイント ツー ポイント イーサネットを使用したハードウェア協調シミュレーションを実行できます。

  4. ハードウェア協調シミュレーションをより高速に実行するためバースト モードを使用する場合は、Settings の横にある Compilation ボタンをクリックし、FIFO depth をオンにして Burst mode を指定します。OK をクリックして [Hardware Co-Simulation Settings] ダイアログ ボックスを閉じます。

    バースト モードの詳細は、ハードウェア協調シミュレーションのバースト データ転送を参照してください。

    図 2. バースト モードの設定
    重要: バースト モードのハードウェア協調シミュレーションを実行するには、System Generator トークンのダイアログ ボックスで Create Testbench をオンにしてテストテストベンチを作成する必要があります。
  5. コンパイルの一部としてテストベンチを作成する場合は、Create Testbench をオンにします。

    Create Testbench をオンにする場合、コンパイル プロセスでサンプル テストベンチが自動的に作成されます。ハードウェア協調シミュレーション用の独自のテストベンチをユーザーが作成することもできます (ハードウェア協調シミュレーションへの M コード アクセスを参照)。

  6. Generate をクリックします。

    ハードウェア協調シミュレーション用にデザインの FPGA コンフィギュレーション ビットストリームが生成されます。System Generator では、コンパイル プロセス中にモデルの HDL およびネットリスト ファイルが生成されるだけでなく、FPGA コンフィギュレーション ファイルを生成するのに必要なダウンストリーム ツールも実行されます。

    コンフィギュレーション ビットストリームには、モデルに関連するハードウェアと、System Generator がボードと PC 間の物理的インターフェイスを使用してデザインと通信できるようにする追加インターフェイス ロジックが含まれます。このロジックにはメモリ マップ インターフェイスが含まれており、System Generator はこれを介してデザインの入力ポートおよび出力ポートに対して値の読み出しおよび書き込みを実行できます。また、ターゲットの FPGA ボードを正しく機能させるために必要なボード特定の回路も含まれます。

    コンパイルが終了すると、次のような結果になります。

    • 手順 4Burst mode をオンにしていない場合は、JTAG Cosim またはPoint-to-Point Ethernet ハードウェア協調シミュレーション ブロックが別のウィンドウに表示されます。ハードウェア協調シミュレーション ブロックを Simulink モデルにドラッグ (またはコピーして貼り付け) します。ハードウェア協調シミュレーション ブロックを使用すると、Simulink ウィンドウ内でハードウェア協調シミュレーションを実行できます。

      ハードウェア協調シミュレーション ブロックの詳細は、ハードウェア協調シミュレーション ブロック を参照してください。

      図 3. ハードウェア協調シミュレーション ライブラリ ブロック

      コンパイルで Create Testbench をオンした場合は、コンパイルにより M コードハードウェア協調シミュレーションのサンプル テストベンチも生成されます (ハードウェア協調シミュレーションへの M コード アクセス を参照)。このテストベンチを使用してハードウェア協調シミュレーションを実行するか、またはこれをカスタマイズしてユーザーのテストベンチを作成することもできます。

    • 手順 4Burst mode をオンにした場合は、ハードウェア協調シミュレーション ブロックは表示されません。バースト モードの協調シミュレーションを実行する場合は、コンパイル中にターゲット ディレクトリに配置された MATLAB® の M コード テストテストベンチを使用します。
      • 最上位デザインをコンパイルすると、テストベンチの名前が次のように指定されます。
        <design_name>_hwcosim_test.m
      • デザインのサブシステムをコンパイルすると、テストベンチの名前が次のように指定されます。
        <design_name>_<sub_system>_hwcosim_test.m

      コンパイルにより、Simulink モデルでハードウェア協調シミュレーションを実行する準備が整います。

      ハードウェア協調シミュレーションを実行するには、次に進みます。