アナログ波形の使用 - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: ロジック シミュレーション (UG900)

Document ID
UG900
Release Date
2023-10-18
Version
2023.2 日本語

基数およびアナログ波形の使用

バスの値が数値として処理される方法は、バス波形オブジェクトの基数設定によって決まります。

  • 2 進数、8 進数、16 進数、ASCII、および符号なしの 10 進数の基数を使用すると、バスの値が符号なしの整数として処理されます。
  • バス内のビットのいずれかが 0 でも 1 でもない場合、バス全体の値は 0 と解釈されます。
  • 符号付きの 10 進数および符号付き大きさ基数を使用すると、バスの値が符号付き整数として処理されます。
  • 基数を実数に設定すると、[Real Settings] ダイアログ ボックスの設定に基づいて、バスの値が固定小数点または浮動小数点の実数として処理されます。

波形オブジェクトの基数を実数に設定するには、次の手順に従います。

  1. 波形ウィンドウで HDL オブジェクトを右クリックし、ポップアップ メニューを開きます。
  2. Radix > Real Settings をクリックして、次の図に示す Real Settings ダイアログ ボックスを開きます。


波形の基数を Real に設定して、オブジェクトの値を実数で表示できます。この基数を選択する前に、波形ビューアーでの値のビットの処理方法を指定する必要があります。

[Real Setting] ダイアログ ボックスのオプションは、次のとおりです。

  • Fixed Point: 選択したバス波形オブジェクトのビットが固定小数点の符号付きまたは符号なし実数として処理されます。
  • Binary Point: 2 進数小数点の右側のビット数を指定します。[Binary point] で指定した値が波形オブジェクトのビット幅よりも大きい場合、波形オブジェクトの値は固定小数点として処理できず、波形オブジェクトがデジタル波形で表示される場合はすべての値が <Bad Radix> と表示されます。アナログ波形として表示される場合、すべての値は 0 として処理されます。
  • Floating Point: 選択したバス波形オブジェクトのビットが IEEE 浮動小数点の実数として処理されます。
    注記: 単精度および倍精度 (および単/倍精度に設定されている値のカスタム精度) のみがサポートされています。

    その他の値は、[Fixed point] を使用した場合と同様 <Bad Radix> と表示されます。[Exponent Width] および [Fraction Width] を加算した値が波形オブジェクトのビット幅と一致する必要があり、一致しない場合は <Bad Radix> と表示されます。

    ヒント: 行を区切る線が表示されていない場合、[Waveform Settings] スライドアウト でオンにできます。

波形のアナログ表示

重要: HDL バス オブジェクトをアナログ波形で表示して予測される波形を出力する場合、HDL オブジェクトのデータの性質と一致する基数を選択してください。次に例を示します。
  • バスでエンコードされるデータが 2 の補数の符号付き整数の場合は、符号付きの基数を選択する必要があります。
  • データが IEEE フォーマットでエンコードされる浮動小数点の場合は、基数に実数を選択する必要があります。

アナログ波形表示のカスタマイズ

アナログ波形の表示をカスタマイズするには、波形設定ウィンドウの [Name] 列で HDL オブジェクトを右クリックし、Waveform Style をクリックします。ポップアップ メニューに次のオプションが表示されます。

  • Analog: 波形をアナログに設定します。
  • Digital: 波形オブジェクトをデジタルに設定します。
  • Analog Settings: アナログ波形表示に関するオプションを設定する [Aanalog Settings] ダイアログ ボックス (次の図) が開きます。
波形ウィンドウでは、幅が 64 ビット以下のバスのアナログ波形のみを表示できます。
図 1. [Analog Settings] ダイアログ ボックス

[Analog Settings] ダイアログ ボックスのオプションの説明

  • Row Height: 選択した波形オブジェクトの高さをピクセル数で指定します。行の高さを変更しても波形の垂直方向の表示域は変わりませんが、波形の高さの伸縮が変わります。

    アナログとデジタルを切り替えるとき、行の高さはそれぞれに合った適切なデフォルトの高さに設定されます (デジタルの場合は 20、アナログの場合は 100)。

    ヒント: 行インデックスが表示されていない場合は、波形ウィンドウの [Waveform Settings] スライドアウトでオンにしてください。オプション設定の変更方法については、[Waveform Settings] スライドアウトを参照してください。行を区切る線を波形名の左および下にドラッグして、行の高さを変更することもできます。
  • Y Range: 波形エリアに表示される数値の範囲を指定します。
    • Auto: 表示されている時間の範囲の値が現在の範囲を超えたときに、表示範囲が拡大されます。
    • Fixed: 時間範囲を一定にします。
    • Min: 波形エリアの一番下に表示される値を指定します。
    • Max: 波形エリアの一番上に表示される値を指定します。

    どちらの値も浮動小数点として指定できますが、波形オブジェクトの基数が整数の場合、値は整数に切り捨てられます。

  • Interpolation Style: データ ポイントを接続するラインの描画方法を指定します。
    • Linear: 2 つのデータ ポイント間のラインを直線にします。
    • Hold: 2 つのデータ ポイントのうち、左のポイントから右のポイントの X 軸に向かって水平ラインを描画し、そのラインから右のポイントに向かって別のラインを L 字型に描画します。
  • Off Scale: 波形エリアの Y 軸を超えた値をどのように描画するかを指定します。
    • Hide: 範囲外にある値を非表示にします。波形が波形エリアの上下の範囲外になると、値が範囲内に戻るまで非表示になります。
    • Clip: 範囲外にある値が波形エリアの一番上および一番下に表示されるよう指定します。値が範囲を超えると、範囲内に戻るまで波形エリアの上下境界線上に水平線として表示されます。
    • Overlap: 波形が波形エリアの範囲を超えてほかの波形と重なったとしても、波形ウィンドウの境界に達するまで値の位置に波形が描画されます。
  • Horizontal Line: 指定した値で水平方向のラインを描画するかどうか指定します。このチェック ボックスをオンにすると、Y 軸の [Y Value] で指定した値の位置に水平線が描画されます (指定した値が波形の Y 範囲内である場合)。

    [Min] および [Max] の場合と同様、Y 軸の値には浮動小数点値を指定できますが、選択した波形オブジェクトの基数が整数の場合は、整数値に切り捨てられます。