ビヘイビアー シミュレーションまたはタイミング シミュレーションをコマンド ラインから実行するには、次の手順を実行する必要があります。
- デザイン ファイルの識別と解析。
- 実行可能なシミュレーション スナップショットのエラボレートと生成。
- 実行可能なスナップショットを使用したシミュレーションの実行。
Vivado Design Suite の Export Simulation コマンドを使用すると、シミュレーションに必要なデザイン ファイルをすばやく集めて、最上位 RTL デザインまたは下位デザインのシミュレーション スクリプトを生成できます。export_simulation
コマンドでは、サポートされるサードパーティ シミュレータすべて、またはユーザーの選択したターゲット シミュレータのスクリプトが生成されます。
Vivado IDE で をクリックし、次の図に示す Export Simulation ダイアログ ボックスを開きます。
Export Simulation コマンドは、サポートされるすべてのシミュレータまたは指定したターゲット シミュレータに対してシミュレーション スクリプト ファイルを生成します。生成されるスクリプトには、デザインをコンパイル、エラボレート、およびシミュレーションするシミュレータ コマンドが含まれます。
Export Simulation ダイアログ ボックスには、次のオプションが含まれます。
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Target simulator: コマンド ライン スクリプトを生成するシミュレータを指定します。Vivado シミュレータまたはサポートされているサードパーティ シミュレータを選択できます。詳細は、サードパーティ シミュレータを使用したシミュレーション を参照してください。注記: Windows OS の場合は、Windows で実行されるシミュレータに対してのみスクリプトが生成されます。注記: コマンド ライン モードでは、同等のオプション -simulator に all を指定することで、サポートされているすべてのシミュレータのスクリプトが生成されます。これはコマンド ラインでのみサポートされ、GUI では利用できません。
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Compiled library location: Export Simulation コマンドで生成されるスクリプトを使用してシミュレーションを実行するには、compile_simlib Tcl コマンドを使用してシミュレーション ライブラリをコンパイルする必要があります。生成されるスクリプトでは、コンパイル ライブラリ ディレクトリからターゲット シミュレータに必要なセットアップ ファイルが自動的に含まれます。詳細は、シミュレーション ライブラリのコンパイル を参照してください。 ヒント: Export Simulation を実行する際は、常に Compile library location にパスを指定しておくことをお勧めします。これにより、スクリプトが常に正しいシミュレーション ライブラリをポイントするようになります。
- Export directory: Export Simulation で生成されるスクリプトの出力ディレクトリを指定します。デフォルトでは、シミュレーション スクリプトが現在のプロジェクトのローカル ディレクトリに出力されます。
- Overwrite files: export ディレクトリに同じ名前のファイルが既に存在している場合に、上書きします。
- Use absolute paths: デフォルトでは、生成されたスクリプトのソース ファイルとディレクトリ パスは、スクリプトで定義された基準ディレクトリに対する相対パスになります。このオプションを使用すると、スクリプト内のファイル パスは相対パスではなく絶対パスになります。
- Copy source files to export directory: デザイン ファイルを出力ディレクトリにコピーします。これにより、シミュレーション ソース ファイルと生成されたスクリプトがコピーされ、シミュレーション フォルダー全体が移植しやすくなります。
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Command: Export
Simulation ダイアログ ボックスで指定したさまざまなオプションおよび設定により実行される
export_simulation
コマンドの Tcl コマンド構文を表示します。 - Help: Help ボタンで Export Simulation Files ダイアログ ボックスのさまざまなオプションの説明を表示します。
Export
Simulation コマンドでは、プロジェクトと非プロジェクトの両方のデザインがサポートされます。Verilog の ‘defines および ‘include ディレクトリのクエリには現在のプロジェクトからのプロパティは読み込まれず、ダイアログ ボックスまたは export_simulation
コマンド オプションから指示子が取得されます。必要な結果を取得するには、適切なオプションを指定する必要があります。また、最上位デザインで使用されるすべての IP およびブロック デザインの出力ファイルが必要です。
export_simulation
コマンドでは自動的に生成されず、エラー メッセージが表示されるか、実行が停止します。Export Simulation ダイアログ ボックスで OK をクリックすると、指定したデザイン オブジェクト (最上位デザイン、階層モジュール、IP コア、Vivado IP インテグレーターからのブロック デザイン、または複数 IP を含む Manage IP プロジェクト) をシミュレーションするのに必要なデザイン ファイルすべてのシミュレーション コンパイル順が取得されます。必要なデザイン ファイルのシミュレーション コンパイル順は、ターゲット シミュレータのコンパイラ コマンドおよびオプションを含めてシェル スクリプトにエクスポートされます。
シミュレーション スクリプトは [Export Simulation] ダイアログ ボックスで指定したエクスポート ディレクトリの個別フォルダーに生成されます。指定したシミュレータごとに個別のフォルダーが作成され、そのシミュレータ用の compile、elaborate、および simulate スクリプトが記述されます。
Export Simulation コマンドで生成されたスクリプトでは、3 段階のプロセス (解析/コンパイル、エラボレート、シミュレーション) が使用されます。これは、Vivado シミュレータを含め、多くのシミュレータに共通しています。ModelSim および Riviera では、生成されたスクリプトでツールが必要とする 2 段階のプロセス (コンパイルとシミュレーション) が使用されます。
この Export Simulation コマンドでは、ファイルセットからのデータ ファイル (存在する場合) も指定したエクスポート ディレクトリにコピーされます。デザインに Verilog ソースが含まれる場合は、生成されるスクリプトにより glbl.v も Vivado ソフトウェア インストール パスから出力ディレクトリにコピーされます。
export_ip_user_filesexport_simulation -no_script -force -directory "C:/Data/project_wave1" -simulator all
ダイアログ ボックスから Export
Simulation コマンドを実行すると、Vivado IDE でエクスポートされたスクリプトのベース ディレクトリを定義するコマンド シーケンスが実際に実行され、IP ユーザー ファイルがエクスポートされてから、export_simulation
コマンドが実行されます。
Vivado IDE で export_ip_user_files
コマンドが自動的に実行され、コア コンテナーおよびコア コンテナー以外の IP 両方のシミュレーションをサポートするのに必要なすべてのファイルとブロック デザインが使用可能になります。詳細は、
『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: IP を使用した設計』 (UG896) のこのセクションを参照してください。export_ip_user_files
は Export
Simulation ダイアログ ボックスを使用すると自動的に実行されますが、export_simulation
コマンドを使用する場合は実行前に必ず手動で実行するようにしてください。
export_ip_user_files
コマンドが自動的に実行される際、-no_script
オプションが指定されます。これは、最上位デザインで使用される個別の IP およびブロック デザインに対してシミュレーション スクリプトが生成されるとコマンドの実行時間がかなり長くなるので、生成されないようにするためです。個別の IP およびブロック デザインのシミュレーション スクリプトを生成する場合は、特定のオブジェクト (export_ip_user_files
) に対して -of_objects
を実行するか、-no_script
オプションを使用しないようにします。
export_ip_user_files
コマンドでシミュレーションおよび合成に必要な IP およびブロック デザインのユーザー ファイル環境が設定され、インスタンシエーション テンプレート、サードパーティ合成ツールで使用するスタブ ファイル、ラッパー ファイル、メモリ初期化ファイル、およびシミュレーション スクリプトを含む ip_user_files というフォルダーが作成されます。
export_ip_user_files
コマンドでは、プロジェクト内のすべての IP およびブロック デザインで共有されるスタティック シミュレーション ファイルも統合され、ipstatic フォルダーにコピーされます。プロジェクト内の複数の IP およびブロック デザイン間で共有される IP ファイルの多くは、特定のカスタマイズ IP 用に変更されることはありません。これらのスタティック ファイルは ipstatic ディレクトリにコピーされます。シミュレーション用に作成されたスクリプトは、このディレクトリの共有ファイルを必要に応じて参照します。カスタマイズ IP に特有のダイナミック シミュレーション ファイルは、IP フォルダーにコピーされます。詳細は、
『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: IP を使用した設計』 (UG896) の「IP ユーザー ファイル」を参照してください。
export_simulation
コマンドで生成されるスクリプトおよびファイルでは ip_user_files ディレクトリのファイルが指定されます。export_ip_user_files
コマンドよりも前に export_simulation
を実行しないと、シミュレーション エラーが発生する可能性があります。