ECO Navigator の Run セクション (次の図に表示) からは、現在の変更をインプリメントするのに必要なコマンドすべてにアクセスできます。
図 1. ECO Navigator の Run コマンド
- Check ECO
- 現在のデザインで ECO チェック ルール デックを実行します。ヒント: Vivado ツールの ECO コマンドを使用すると、ネットリストに無条件に変更を加えることができますが、論理的な変更により物理的なインプリメンテーションが無効になる可能性があります。Check ECO を実行すると、物理的なインプリメンテーションの前に対処しておく必要のある無効なネットリストの変更や物理的な制限がレポートされます。
- 論理デザインの最適化
- ネットリストを最適化するため、変更したデザインで
opt_design
を実行する必要があることもあります。このコマンドを実行すると Optimize Logical Design ダイアログ ボックスが開き、opt_design
コマンドのオプションを指定できます。このダイアログ ボックスに入力したオプションは、入力した順にopt_design
の後に追加されます。たとえば、opt_design -sweep
を実行するには、Options に-sweep
と入力します。図 2. [Optimize Logical Design] ダイアログ ボックス
- Place Design
- 配置の 75% 以上が再利用可能である場合に、変更したネットリストでインクリメンタル
place_design
を実行します。place_design
の最後のインクリメンタル配置サマリ (Incremental Placement Summary) には、インクリメンタルな再利用に関する統計が表示されます。このコマンドをクリックすると、Place Design ダイアログ ボックスが開き、place_design
コマンドのオプションを指定できます。このダイアログ ボックスに入力したオプションは、入力した順にplace_design
の後に追加されます。インクリメンタルな配置配線のその他の情報については、インクリメンタル インプリメンテーションを参照してください。
図 3. [Place Design] ダイアログ ボックス
- Optimize Physical Design
- ネットリストを物理最適化するため、変更したデザインで
phys_opt_design
を実行する必要があることもあります。このコマンドを実行すると Optimize Physical Design ダイアログ ボックスが開き、phys_opt_design
コマンドのオプションを指定できます。このダイアログ ボックスに入力したオプションは、入力した順にphys_opt_design
の後に追加されます。たとえば、phys_opt_design -fanout_opt
を実行するには、Options に-fanout_opt
と入力します。図 4. [Optimize Physical Design] ダイアログ ボックス
- Route Design
- このコマンドをクリックすると、Route
Design ダイアログ ボックスが開きます。このダイアログ ボックスでは、デザインの変更のインクリメンタル配線、選択したピンの配線、選択したネットの配線のいずれを実行するかを選択します。変更したネットリストで再利用されるネットが 75% 未満である場合にインクリメンタル配線を選択すると、インクリメンタルではない
route_design
が実行されます。図 5. [Route Design] ダイアログ ボックス
インクリメンタルな配置配線のその他の情報については、インクリメンタル インプリメンテーションを参照してください。
ECO 変更を配線するには、次の 4 つのオプションがあります。
- Incremental Route: これがデフォルト オプションです。
- Route selected pin: 選択したピンのみを配線します。
- Route selected non-Power nets: 選択した信号ネットのみを配線します。
- Route selected Power nets: 選択した VCC/GND のみを配線します。