インプリメンテーション run の定義 - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: インプリメンテーション (UG904)

Document ID
UG904
Release Date
2023-11-01
Version
2023.2 日本語
インプリメンテーション run を定義するには、次の手順に従います。
  1. メイン メニューから Flow > Create Runs をクリックします。

    または、Flow Navigator で Implementation を右クリックして Create Implementation Runs をクリックするか、Design Runs ウィンドウを右クリックして Create Runs をクリックします。

    Create New Runs ウィザードが開きます。

  2. Create New Runs ウィザードの最初のページで Implementation をオンにし、Next をクリックします。
  3. Configure Implementation Runs ページが表示されます。図の下の説明に従って run を設定します。
    1. Name 列に run の名前を入力するか、デフォルトのままにします。
    2. Synth Name 列で、インプリメンテーションに使用する合成済みネットリストを生成する合成 run を選択します。デフォルトは、Design Runs ウィンドウで現在アクティブな run です。詳細は、インプリメンテーションのカテゴリ、ストラテジの説明、および -directive の値を参照してください。
      注記: ネットリスト プロジェクトの場合は、Create Run コマンドに合成 run の名前は必要ありません。

      サードパーティ合成ツールからプロジェクトにインポートされた合成済みネットリストも選択できます。詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: 合成』 (UG901) を参照してください。

    3. Constraints Set 列でインプリメンテーションに適用する制約セットを選択します。最適化、配置、および配線は、指定された制約セットの物理制約およびタイミング制約に基づいて実行されます。

      制約セットの詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: 制約の使用』 (UG903) を参照してください。

    4. Part 列でターゲット パーツを選択します。

      デフォルトでは、Constraints Set および Part は、Create New Runs コマンド実行したときのプロジェクト設定に基づいて定義されます。

      プロジェクト設定の詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: システム レベル デザイン入力』 (UG895) の「プロジェクト設定のコンフィギュレーション」セクションを参照してください。

      ヒント: 異なる制約セットまたはターゲット パーツを使用する run を作成するには、[Create New Runs] コマンドを使用します。既存の run のこれらの値は、[Design Runs] ウィンドウで run を選択し、[Run Properties] ウィンドウで変更できます。
    5. [Strategy] 列でストラテジを選択します。

      ストラテジとは、インプリメンテーション結果を制御する Vivado インプリメンテーション機能オプションを定義した設定のことです。Vivado Design Suite では、定義済みのストラテジが提供されています。また、独自のインプリメンテーション ストラテジを作成することも可能です。

      インプリメンテーションのカテゴリ、ストラテジの説明、および -directive の値に示すストラテジのいずれかを選択します。ストラテジは、その目的に応じてカテゴリ別に分類されており、カテゴリ名が接頭辞となっています。カテゴリは、インプリメンテーションのカテゴリ、ストラテジの説明、および -directive の値 を参照してください。

      詳細は、インプリメンテーション ストラテジの定義 を参照してください。

      ヒント: 最適化ストラテジは、デザイン間、ソフトウェア リリース間で変更できます。

      パフォーマンス ストラテジは、デザイン パフォーマンスの向上を目的としており、実行時間は長くなります。パフォーマンス ストラテジを選択する前に、まず Vivado インプリメンテーションのデフォルトを使用してタイミング要件を満たすようにしてください。このようにすると、デザインの変更によるタイミング クロージャの影響を吸収するのに十分なマージンが得られます。ただし、デザイン要件が満たされない場合、実行時間が長くなることが許容されるのであれば、Performance_Explore はすべてのタイプのデザインを網羅しているので、最初に選ぶストラテジとして適しています。

      重要: 名前に SLL または SLR が含まれるストラテジは、SSI デバイスでのみ使用可能です。
      ヒント: run を実行する前に、インプリメンテーション プロセスの各段階の設定を、選択したストラテジのデフォルト設定から変更できます。変更した設定を新しいストラテジとしても保存できます。詳細は、インプリメンテーション run 設定の変更 を参照してください。
    6. More をクリックし、追加の run を定義します。デフォルトでは、シーケンスの次のストラテジが自動的に選択されます。追加 run の名前とストラテジを指定します。
    7. Make Active チェック ボックスを使用して、実行する run を選択します。
    8. Next をクリックします。
  4. Launch Options ページが表示されます。図の下の説明に従ってオプションを設定します。
    注記: 前の図に示されている Launch runs on remote hostsオプションと Launch runs on Cluster オプションは、Linux のみです。Windows では表示されません。
    1. Launch directory でインプリメンテーション run データを作成し、保存する場所を指定します。

      デフォルトのディレクトリは、ローカルのプロジェクト ディレクトリ構造に含まれます。デフォルトでは、インプリメンテーション run のファイルは <project_name>/<project_name>.runs/<run_name> ディレクトリに保存されます。

      ヒント: プロジェクト ファイルには絶対パスが記述されるので、プロジェクト ディレクトリ外の場所を指定すると、プロジェクトを移動しにくくなります。
    2. ラジオ ボタンおよびドロップダウン リストを使用して、プロジェクトに適切な設定を指定します。次のいずれかを選択します。
      • Launch runs on local host: ローカル マシンで run を実行します。
      • Number of jobs: 複数の run を同時実行する際に使用するローカル プロセッサの数を指定します。
      • Launch runs on remote hosts (Linux のみ): ジョブを実行するのにリモート ホストを使用します。
      • Configure Hosts: リモート ホストを設定します。詳細は、リモート ホストおよび計算クラスターの使用 を参照してください。
      • Launch runs on Cluster (Linux のみ): ジョブを実行するのに計算クラスター コマンドを使用します。ドロップダウン リストから、ネイティブ サポートされている Vivado クラスター (LSF、SGE、SLURM) または追加されたユーザー定義クラスターのいずれかを選択します。
      • Generate scripts only: run ディレクトリおよび run スクリプトをエクスポートおよび作成しますが、run は実行しません。スクリプトは、Vivado IDE ツールの環境外で後で実行できます。
      • [Do not launch now]: 新しい run を保存しますが、run スクリプトは実行または作成しません。
  5. Next をクリックし、[Create New Runs Summary] ページを確認します。
  6. Finish をクリックします。定義した run が作成され、指定の実行オプションが実行されます。

新しい run が Design Runs ウィンドウに追加されます。詳細は、[Design Runs] ウィンドウの使用 を参照してください。