Tcl レポート コマンド
report_phys_opt
を実行すると、phys_opt_design
で実行された各最適化のレポートがかなり詳細なレベルで表示されるようになります。これは、最適化履歴がメモリ内に残っている、phys_opt_design
を実行したのと同じ Vivado セッションで実行する必要があります。このため、レポートが必要な場合は、Tcl スクリプトの最後の report_phys_opt
コマンドの直後に phys_opt_design
コマンドを含めておくことをお勧めします。
レポートには、配置後の phys_opt_design
最適化でのみ使用できます。レポートは、累積されません。
phys_opt
の run ごとにそれぞれ異なる phys_opt レポートがあり、その特定の phys_opt_design
の run の変更のみがレポートされます。
次のレポート例は、pipeline_en というレジスタを含むファンアウトの最適化を示しています。次の詳細がレポートには表示されています。
- 元のドライバー pipeline_en は 816 のロードを駆動しています。このファンアウトの大きいネットを含むパスの WNS は -1.057 ns で、タイミングを満たしていません。
- ドライバー pipeline_en が新しいセル pipeline_en_replica を作成するために複製されています。
- 816 のロードが 386 ロードの pipeline_en_replica と残りの 430 ロードの元のドライバー pipeline_en に分割されています。
- pipeline_en_replica の複製と配置後は、pipeline_en_replica パスの WNS が +0.464 ns になり、pipeline_en パスの WNS が 0 に削減されています。
- 元のドライバー pipeline_en の配置が変更され、削減されたロードのセットの位置に基づいて WNS が改善されています。
図 1. ファンアウト最適化レポート