物理最適化制約 - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: インプリメンテーション (UG904)

Document ID
UG904
Release Date
2023-11-01
Version
2023.2 日本語

Vivado Design Suite では、物理最適化中に DONT_TOUCH プロパティが認識され、これらのプロパティが設定されているネットまたはセルには最適化は実行されません。ネット選択プロセスを高速化するため、DONT_TOUCH プロパティが設定されたネットはあらかじめ除外され、物理最適化することは考慮されません。また、Pblock の割り当てに従い、複製されたロジックでも元のロジックの Pblock 割り当てが適用されます。タイミング例外も、元のセルから複製セルにコピーされます。

詳細は、 『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: 合成』 (UG901) の「合成属性」セクションを参照してください。

DONT_TOUCH プロパティは通常、最適化されないようにするため最下位セルに設定します。階層セルに DONT_TOUCH を設定するとセルの境界は保持されますが、セル内では最適化が実行される可能性はあります。

MARK_DEBUG プロパティの値が TRUE であるネットには、DONT_TOUCH プロパティの値が自動的に TRUE に設定されます。これにより、インプリメンテーション フロー中にネットは変更されなくなり、どのデザイン段階でもネットをプローブできます。MARK_DEBUG は、このように使用することをお勧めします。ただし、DONT_TOUCH は制限的すぎ、複製やリタイミングなどの最適化が実行されなくなり、タイミング クロージャを達成するのが困難になることがまれ、にあります。その場合は、MARK_DEBUG を TRUE に設定したまま、DONT_TOUCH の値 FALSE に設定できます。ただし、MARK_DEBUG を設定したネットが最適化で削除され、プローブされなくなる可能性があります。MARK_DEBUG ネットを複製すると、元のネットのみに MARK_DEBUG が保持され、複製されたネットには保持されません。