QoR 推奨項目 - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: デザイン解析およびクロージャ テクニック (UG906)

Document ID
UG906
Release Date
2023-10-19
Version
2023.2 日本語

QoR 推奨項目は、次の手法によりデザインのタイミングが満たされる確率を向上するために使用します。

  • コマンドに opt_design などのオプションを追加
  • セルやネットなどのデザイン オブジェクトにプロパティを追加
  • フル インプリメンテーション ストラテジ

report_qor_suggestions コマンドは、AMD Vivado™ IDE またはテキスト ベースのレポートを生成します。次の目的で使用できます。

  • メモリ内の現在のデザインの新しい推奨項目を生成して表示。
  • read_qor_suggestions コマンドを使用して読み出した既存の推奨項目を表示。

report_qor_suggestions コマンドは、合成後のどの段階でも実行できます。推奨項目は、次の項目別に多くのデザイン特性を考慮して生成されます。

  • クロッキング
  • XDC
  • ネットリスト
  • 使用率
  • 密集度
  • タイミング
  • ストラテジ

生成された推奨項目を適用するには、フローに取り込む必要があります。次の図に示すように、通常はデザイン段階を実行し直す必要があります。

図 1. 推奨項目フロー

新しい推奨項目を生成する前に、デザインをメモリに読み込んでおく必要があります。report_qor_suggestions は、合成後のフローのどの段階でも実行できます。推奨項目は、重要な順序で上から表示されます。

デザインの QoR (結果の品質) を改善するのに必要な推奨項目のみをレポートします。推奨項目を作成する前に、配置配線が必要なこともあります。また、必要なデザイン変更を含む推奨項目しか生成されないという制限もあります。

  • ネットリストの推奨項目は、ネットリストの解析に基づいて生成されます。これらは、フローの後半でタイミング エラーの原因となる共通のネットリスト構造を特定しますが、タイミング パスを直接見るわけではないので、タイミング クロージャが達成されているデザインに対して生成されることがあります。
  • 通常、クロッキングの推奨項目は配置後に生成する必要がありますが、例外的に配置前に正確な情報が表示されることもあります。例外はありますが、タイミングが満たされていないパスが必要です。
  • タイミングの推奨項目は、各クロック グループの上位 100 個のタイミングが満たされていないパスを検証して生成されます。
  • 使用率の推奨項目は、推奨項目の対象となるリソースが過剰に使用され、クリティカル リソースが増加しないと判断された場合に生成されます。これらは、どのデザイン段階でもレポートできます。
  • 密集は配置後にのみレポートされます。デザインが配線され、タイミングが満たされている場合は、タイミング クロージャに影響を与えないことがわかっているので、密集の推奨項目はレポートされません。
  • ストラテジ、最終カテゴリにはインプリメンテーション ストラテジが含まれています。これらは、多くのデザイン特性を解析する機械学習アルゴリズムを使用して生成されます。これらを使用したフローは、前述のものとは少し異なります。詳細は、この章の後の方で説明します。