サマリには、QoR 評価スコアおよびフロー ガイダンス情報の両方が含まれます。
評価スコアは、インプリメンテーション フローの特定のポイントで、デザインでタイミング目標が達成される可能性を予測します。このコマンドは、フローの早期に実行するほどコンパイル時間が短縮されるため、利点があります。精度は多少落ちますが、最終的な配線後のスコアと 1 以上は違わないはずです。スコアは、UltraFast 設計手法、デバイス使用率、制御セット、クロッキング、セットアップ スラック、ホールド スラックなどの複雑なデザイン メトリックスのセットを解析して生成されます。また、デザイン段階でデバイス特有の特性も考慮されます。たとえば、synth_design
後はクロッキング ネットリストの構造が精査され、place_design
後は精度が上がるにつれてクロック スキューの比重が大きくなり、route_design
後はデザインが完全に配線できたかどうかなど、その他の新しい要素が考慮されます。スコア範囲は、1 ~ 5 です。5 未満の場合は、report_qor_suggestions
を使用してスコアを改善します。
スコアの詳細は、次の表のとおりです。
スコア | 動作 |
---|---|
1 | デザインでインプリメンテーションを完了できない可能性が高い。 |
2 | デザインでインプリメンテーションは完了するが、タイミングは満たされない。 |
3 | デザインでタイミングが満たされない可能性が高い。 |
4 | デザインでタイミングが満たされる可能性が高い。 |
5 | デザインでタイミングが満たされる。 |
フロー ガイダンスは、全体的な評価のサマリの一部で、デザインの現在のステータスによってダイナミックに更新されます。次の情報が表示されます。
- ユーザーが設計手法の問題に対処する必要があるかどうか
- QoR 推奨項目を使用してデザインが改善するかどうか
- ML ストラテジまたはインクリメンタル コンパイルを使用するかどうか
次の図に、QoR Assessment Score のスコアが 2 の例を示します。
図 1. 全体的な評価のサマリ