自動 QoR 推奨項目フローは、プロジェクト ベース run に QoR 推奨項目を生成して適用します。これは、変更中のデザインに QoR 推奨項目を生成して適用するのに最も簡単な方法です。自動 QoR 推奨項目をイネーブルにすると、標準インプリメンテーション フローは次の図に示すように変更されます。
初期 run は、ユーザーが選択した RQS ファイルを設定して実行するか、RQS ファイルなしで実行することもできます。ユーザー RQS ファイルを選択した場合、新しい推奨項目が生成されるまで保持されます。ファイル内のすべての推奨項目が <top>_routed.rqs ファイルに書き込まれるので、元のファイルを保持する必要はありません。
report_qor_suggestions
コマンドは、opt_design
、place_design
の後、およびコマンドがイネーブルであれば route_design
または配線後の phys_opt_design
のいずれかの後に実行されます。
ほとんどの推奨項目は、後続のインプリメンテーション run で適用できるようにインプリメンテーション run の最後で RQS ファイルに書き込まれます。RQS ファイルに書き込まれる推奨項目は次のとおりです。
- AUTO_RQS_FLOW==1 プロパティが設定されている新しい推奨項目
- APPLIED==1 プロパティが設定されている以前の推奨項目
RQS_CLOCK-1 の推奨項目もあり、これは opt_design
で生成され、同じ run で適用されます。
推奨項目は、実行されるコマンドについての Reports タブの report_qor_suggestions
レポートで確認できます。
run がリセットされると、推奨項目がインプリメンテーション run ディレクトリから別の場所にコピーされ、utils_1 ファイルセットに追加されます。この場所は、デフォルトではソース ディレクトリ内ですが、ほかの場所に変更できます。
推奨項目は、親合成 run がある場合はそれにも適用できます。1 つの子インプリメンテーション run からのみ合成推奨項目も供給できます。複数の子インプリメンテーション run is を選択すると、最新のものが使用されます。
ファースト クラスの run オブジェクトには、次のプロパティが使用されます。
プロパティ | 値 | 説明 |
---|---|---|
RQS_FILES | RQS ファイル名 | ユーザー RQS ファイルを指定します。 |
AUTO_RQS |
|
自動 RQS フローをイネーブルにします。 |
AUTO_RQS.DIRECTORY | <directory> | RQS ファイルをにコピーする代替ディレクトリを指定します。 |
AUTO_RQS.SUGGESTION_RUN | RQS ファイルを生成するインプリメンテーション run 名 | 合成親 run に適用されます。 |
次に、Tcl でこれらのプロパティを使用する例を示します。
set_property AUTO_RQS 1 [get_runs impl_1]
set_property RQS_FILES C:/temp/test.rqs [get_runs impl_1]
set_property AUTO_RQS.DIRECTORY C:/project_name/sources/rqs/impl_1 [get_runs impl_1]
set_property AUTO_RQS.SUGGESTION_RUN impl_1 [get_runs synth_1]