段階 3: ラスト マイル タイミング クロージャ - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: デザイン解析およびクロージャ テクニック (UG906)

Document ID
UG906
Release Date
2023-10-19
Version
2023.2 日本語

ラスト マイル タイミング クロージャ段階では、前の 2 つの段階のいずれかで得られたベスト インプリメンテーション run の結果を読み込んで、タイミング クロージャを試みます。この段階での QoR の向上が、コンパイル時間に対して小さい場合もあります。この段階を実行するには、デザインがラスト マイル タイミング クロージャ要件を満たしている必要があります。

ラスト マイル指示子は、既存の配線済みチェックポイントから開始し、要件が満たされていないパスの改善を試みます。WNS < -0.100 ns のデザインのうち、約 20% でタイミング クロージャが達成されます。

ラスト マイル タイミング クロージャ段階の目標は、デザインのタイミング クロージャを達成することです。可能な限りベストな WNS を達成し、タイミング クロージャが達成された WHS を目標とするデフォルトのツール フローとは若干異なります。アルゴリズムは、タイミングの改善を試みながら、配置および配線の結果を大きく変えないように、バランスをとる必要があります。これを達成するため、タイミング クロージャにラスト マイル インクリメンタル指示子と QoR 推奨項目が使用されます。APPLIED プロパティが設定されている推奨項目が基準 run から再利用され、INCREMENTAL_FRIENDLY プロパティが設定されている推奨項目が適用されます。配線が完了したら、phys_opt_design を実行して、さらにタイミング ロージャの達成を試みます。

段階 1 または 2 からラスト マイル タイミング クロージャ段階に入るには、デザインで次が満たされている必要があります。

  • 完全に配線された run がある
  • WNS > -0.250
  • RQA スコアが 3 以上