Virtex UltraScale+ HBM の消費電力解析 - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: 消費電力解析および最適化 (UG907)

Document ID
UG907
Release Date
2023-10-18
Version
2023.2 日本語

HBM は IP インテグレーター ブロック デザインまたは IP カタログの HBM IP ウィザードを使用して設定できます。HBM インスタンスのセル プロパティを設定すると、report_power の HBM 設定をさらに詳細に設定できます。セル プロパティは、詳細な消費電力解析に使用できます。HBM インスタンスに使用可能なセル タイプは、次のとおりです。

  • HBM_ONE_STACK_INTF: 単一の HBM スタックをターゲットにする場合
  • HBM_TWO_STACK_INTF: 2 つの HBM スタックをターゲットにする場合
get_cells コマンドを使用して HBM インスタンスを見つけます。
set hbm_inst [get_cells -hier -filter {REF_NAME == HBM_TWO_STACK_INTF}]

HBM インスタンスは、AMD Vivado™ IDE で [Find] ダイアログ ボックスを使用しても検索できます。

図 1. Vivado で [Find] を使用した HBM インスタンスの検索

プロパティの値は report_power を実行する前に変更できます。消費電力解析には、次のプロパティが使用されます。

  • PAGEHIT_PERCENT_00、PAGEHIT_PERCENT_01: オープン ページにアクセスする HBM トランザクションのサイクル率で、最高速のアクセスになります。たとえば、消費電力を削減してより効率的なオープン ページ内の場合、順次メモリ アクセスになる可能性が高くなります。
  • READ_PERCENT_00 ~ READ_PERCENT_15 (Stack 0)、READ_PERCENT_16 ~ READ_PERCENT_31 (Stack 1): 擬似チャネルが HBM から読み込まれるサイクル率 (%)。
  • WRITE_PERCENT_00 ~ WRITE_PERCENT_15 (Stack 0)、WRITE_PERCENT_16 ~ WRITE_PERCENT_31 (Stack 1): 擬似チャネルが HBM に書き込まれるサイクル率 (%)。

PAGEHIT_PERCENT に基づいて READ_PERCENT および WRITE_PERCENT が合理的な値になります。次のガイドラインを使用してください。

  • PAGEHIT_PERCENT < 75%: READ_PERCENT + WRITE_PERCENT は 50% 以下になる必要があります。
  • PAGEHIT_PERCENT >= 75%: READ_PERCENT + WRITE_PERCENT は 90% 以下になる必要があります。
注記: 現在のリリースでは、PAGEHIT_PERCENT_00 および PAGEHIT_PERCENT_01 のデフォルト値は 50 です。デフォルト値は今後のリリースで 75 に修正される予定です。

次のプロパティは、HBM IP 設定で割り当てられるので、変更できません。

  • DATARATE_00 ~ DATARATE_15: 各メモリ コントローラーのデータ レート (Gb/s)。プロパティ 00 ~ 07 は Stack 0 に、08 ~ 15 は Stack 1 に適用されます。
  • SWITCH_ENABLE_00、SWITCH_ENABLE_01: 専用 AXI スイッチがスタックに対してイネーブルまたはディスエーブルかを反映します。

次の図に、消費電力レポートのデバイスおよび HBM スタック間の消費電力の内訳を示す [HBM] ビューの例を示します。

図 2. HBM の消費電力レポート