HBM は IP インテグレーター ブロック デザインまたは IP カタログの HBM IP ウィザードを使用して設定できます。HBM インスタンスのセル プロパティを設定すると、report_power の HBM 設定をさらに詳細に設定できます。セル プロパティは、詳細な消費電力解析に使用できます。HBM インスタンスに使用可能なセル タイプは、次のとおりです。
- HBM_ONE_STACK_INTF: 単一の HBM スタックをターゲットにする場合
- HBM_TWO_STACK_INTF: 2 つの HBM スタックをターゲットにする場合
get_cells
コマンドを使用して HBM インスタンスを見つけます。set hbm_inst [get_cells -hier -filter {REF_NAME == HBM_TWO_STACK_INTF}]
HBM インスタンスは、AMD Vivado™ IDE で [Find] ダイアログ ボックスを使用しても検索できます。
図 1.
Vivado で [Find] を使用した HBM インスタンスの検索
プロパティの値は report_power を実行する前に変更できます。消費電力解析には、次のプロパティが使用されます。
- PAGEHIT_PERCENT_00、PAGEHIT_PERCENT_01: オープン ページにアクセスする HBM トランザクションのサイクル率で、最高速のアクセスになります。たとえば、消費電力を削減してより効率的なオープン ページ内の場合、順次メモリ アクセスになる可能性が高くなります。
- READ_PERCENT_00 ~ READ_PERCENT_15 (Stack 0)、READ_PERCENT_16 ~ READ_PERCENT_31 (Stack 1): 擬似チャネルが HBM から読み込まれるサイクル率 (%)。
- WRITE_PERCENT_00 ~ WRITE_PERCENT_15 (Stack 0)、WRITE_PERCENT_16 ~ WRITE_PERCENT_31 (Stack 1): 擬似チャネルが HBM に書き込まれるサイクル率 (%)。
PAGEHIT_PERCENT に基づいて READ_PERCENT および WRITE_PERCENT が合理的な値になります。次のガイドラインを使用してください。
- PAGEHIT_PERCENT < 75%: READ_PERCENT + WRITE_PERCENT は 50% 以下になる必要があります。
- PAGEHIT_PERCENT >= 75%: READ_PERCENT + WRITE_PERCENT は 90% 以下になる必要があります。
注記: 現在のリリースでは、PAGEHIT_PERCENT_00 および PAGEHIT_PERCENT_01 のデフォルト値は 50 です。デフォルト値は今後のリリースで 75 に修正される予定です。
次のプロパティは、HBM IP 設定で割り当てられるので、変更できません。
- DATARATE_00 ~ DATARATE_15: 各メモリ コントローラーのデータ レート (Gb/s)。プロパティ 00 ~ 07 は Stack 0 に、08 ~ 15 は Stack 1 に適用されます。
- SWITCH_ENABLE_00、SWITCH_ENABLE_01: 専用 AXI スイッチがスタックに対してイネーブルまたはディスエーブルかを反映します。
次の図に、消費電力レポートのデバイスおよび HBM スタック間の消費電力の内訳を示す [HBM] ビューの例を示します。
図 2. HBM の消費電力レポート