波形ビューアーの AXI トランザクション - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: プログラムおよびデバッグ (UG908)

Document ID
UG908
Release Date
2023-10-19
Version
2023.2 日本語

System ILA でデバッグされる AXI3AXI4AXI4-Lite インターフェイスに関連するトランザクションは、次の図のように波形ビューアーで確認できます。

図 1. 波形ビューアーの AXI トランザクション

AXI トランザクションは、次のように定義されます。

  • AR (Read Address) チャネルの Address Command イベントの始まりで開始される読み出しトランザクション。
  • R (Read Data) チャネルの Last Read Data イベントで終了される読み出しトランザクション。
  • AW (Write Address) チャネルの Address Command イベントの始まりで開始される書き込みトランザクション。
  • B (Write Response) チャネルの Write Response イベントで終了される書き込みトランザクション。

トランザクションは、アドレス、データ、応答イベントのいずれかまたはすべての ID が同じ場合に表示されます。また、トランザクションは、開始イベントと終了イベントの両方がキャプチャされたデータ波形内にある場合にのみ波形に表示されます。複数の Multiple Outstanding (複数の未処理)/Multiple Overlapping (複数のオーバーラップ) トランザクションが [Waveform] ウィンドウに表示される場合、複数のトランザクション行が使用されます。

インターフェイスのトランザクションにより、System ILA IP 内でトランザクション トラッキング ロジックが未処理になって、次のようにオーバーフローしてしまう可能性があります。

図 2. AXI トランザクションのカウンター オーバーフロー

オーバーフローは、次の 2 つの状況下で発生します。

  • 特定 ID の未処理のトランザクションの数により、トランザクション カウンターの容量がオーバーフローする場合。
  • 未処理のトランザクションのある ID の数により、使用可能なカウンター数がオーバーフローする場合。

どちらの場合も、IP インテグレーター ブロック デザインで System ILA コアの未処理の読み出し/書き込みトランザクション数を増加してカスタマイズし直せば、オーバーフロー状況は回避できます。次の図を参照してください。

図 3. System ILA でのトラッキング可能な未処理トランザクションの数の増加