すべてのコンフィギュレーションを完全に配置配線したら、pr_verify
を使用して最終検証チェックを実行し、コンフィギュレーション間の一貫性を確認できます。このコマンドでは、複数の配線済みチェックポイント (DCP) を引数として指定し、それらのチェックポイント間でのスタティック インプリメンテーションとパーティション ピン配置の違いをレポートできます。この比較では、RM 内の配置配線は無視されます。
pr_verify
ユーティリティは、同じタイプのデザイン チェックポイントで実行する必要があります。フル標準 DFX デザイン フローを使用する場合は、pr_verify
により、配線が完了しているフル デザイン コンフィギュレーション チェックポイントが比較され、互換性が確認されます。抽象化シェル フローを使用する場合は、 pr_verify
を使用して、RP がブラック ボックスとしてまだ含まれている初期抽象化シェル チェックポイントを、そのパーティションにインプリメントされた RM を含むチェックポイントと比較するか、または同じ抽象化シェル内の 2 つの RM インプリメンテーションを比較します。フル シェルと抽象化シェル間または異なる抽象化シェル間での pr_verify
比較はエラーになります。その理由は、スタティック デザインのコンテンツが異なるからです。
2 つのコンフィギュレーションのみを比較する場合は、2 つの配線済みチェックリストを <file1>
および <file2>
としてリストします。pr_verify
コマンドにより両方がメモリに読み込まれ、比較されます。
3 つ以上のコンフィギュレーションを比較する場合は、-initial
オプションを使用してマスター コンフィギュレーションを指定してから、-additional
オプションを使用して複数のコンフィギュレーションを中かっこ {
}
で囲んでリストします。マスター コンフィギュレーションがメモリに保持され、残りのコンフィギュレーションがそれと比較されます。pr_verify チェックでコンフィギュレーションのペアに問題が検出された場合は、どのコンフィギュレーションに対してもビットストリームを生成しないでください。
pr_verify [-full_check] [-file <arg>] [-initial <arg>] [-additional <arg>]
[-quiet] [-verbose] [<file1>] [<file2>]
コマンド オプション | 説明 |
---|---|
-full_check
|
デフォルトでは、最初の差異のみがレポートされます。このオプションを選択すると、pr_verify により配置または配線の差異がすべてレポートされます。 |
-file
|
結果を保存するファイルの名前を指定します。-file を使用しない場合、出力はコンソールに表示されます。 |
-initial
|
すべてのチェックポイントの比較基準となる 1 つの配線済みデザイン チェックポイントを指定します。 |
-additional
|
-initial で指定したチェックポイントと比較する配線済みデザイン チェックポイントを 1 つまたは複数指定します。複数のチェックポイントをリストする場合は、次のように中かっこで囲みます。
|
-quiet
|
コマンド エラーを表示しません。 |
-verbose
|
メッセージの非表示設定を解除し、すべてのメッセージを表示します。 |
次に、2 つのコンフィギュレーションを比較するコマンド ライン例を示します。
pr_verify -full_check config1_routed.dcp config2_routed.dcp -file pr_verify_c1_c2.log
次に、3 つのコンフィギュレーションを検証する例を示します。
pr_verify -full_check -initial config1.dcp -additional {config2.dcp config3.dcp} -file
three_config.log
『Vivado Design Suite チュートリアル: Dynamic Function eXchange』 (UG947) で提供されるスクリプトには、verify_configs
という Tcl プロシージャが含まれており、存在するすべてのコンフィギュレーションに対して pr_verify
が実行され、DCP が一貫しているかがレポートされます。