Dynamic Function eXchange デザイン フローでは、配置配線でインプリメントする必要のあるデザイン バージョンが複数使用されます。これらの異なるコンフィギュレーションでは共通のスタティック デザイン結果が使用されますが、各 RP 内のモジュールは異なります。ダイナミックに置き換えられるこれらの異なるモジュールを考慮して、タイミング制約およびフロアプランを設定する必要があります。
DFX コンフィギュレーション解析レポートは、選択した各 RM を比較し、DFX デザインに関する情報を提供します。リソース使用量、フロアプラン、クロッキング、タイミング メトリクスが解析されるので、PR デザイン全体を管理するのに役立ちます。
DFX コンフィギュレーション解析レポートは、現在のところ [Tcl Console] ウィンドウまたは Tcl スクリプトで実行可能です。このコマンドを実行するには、最上位デザインを開いておく必要があります。
report_pr_configuration_analysis -cells <RP_name> -dcps {<list_of_RM_checkpoints>}
1 つのセル (RP) と、そのセルに挿入可能な複数の DCP (それぞれが 1 つの RM を表す) を選択してその RP の包括的な解析を実行するか、後続の DCP がない複数のセルを選択してスタティック デザインと各 RP へのインターフェイスの最上位解析を実行します。
デフォルトでは、PR デザインに対して 3 つの解析が実行されます。これらのオプションを 1 つまたは複数選択し、実行する解析を指定できます。
-
-complexity
オプション: RP に必要な各リソース タイプの最大数など、リソース使用量をレポートします。 -
-clocking
オプション: 各 RP のクロック使用率およびロードに関する情報をレポートします。デザインの全体的なに必要なクロック分配をプランニングするのに役立ちます。 -
-timing
オプション: 境界インターフェイスのタイミングの詳細をレポートします。RM の入出力でのボトルネックを解析するのに役立ちます。
さらに、-rent
オプションを使用すると、複雑性レポートに Rent メトリクスが追加されます。Rent 指数は配線の複雑性を示すもので、どれだけ密集があるかを示す指標として使用できます。Rent 指数の詳細は、
『Vivado Design Suite ユーザー ガイド: デザイン解析およびクロージャ テクニック』 (UG906) のこのセクションを参照してください。このオプションを指定すると、大型デザインで実行時間が長くなることがあります。
この解析を実行すると、各 RM が指定したチェックポイントの情報に基づいて解析されます。合成後のチェックポイントを指定することもできますが、RM にアウト オブ コンテキストで合成された IP が含まれている場合や、デバッグ コアが挿入されている場合、チェックポイントにそれらの情報は含まれません。最も完全な情報は、リンクおよび拡張がすべて終了した opt_design
の後にならないと入手できません。AMDでは、各コンフィギュレーションごとに write_checkpoint -cell
を呼び出して、opt_design
後に完全に統合した RM チェックポイントを作成してから、これらのファイルを使用してコンフィギュレーション解析レポートを実行することをお勧めしています。
次に、3 つの RM がある RP を 1 つ含むデザインのレポートからの例を示します。