ネットワーク接続された複数のインターフェイス - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: Dynamic Function eXchange (UG909)

Document ID
UG909
Release Date
2023-11-15
Version
2023.2 日本語

Dynamic Function eXchange は、サイズ、重量、消費電力、コストを削減しながら、従来の FPGA アプリケーションを最適化します。時間に依存しない機能を特定して分離し、リコンフィギャラブル モジュール (RM) としてインプリメントすることにより、1 つのデバイス内で必要に応じて機能を入れ替えます。40G OTN マックスポンダー アプリケーションがその典型的な例です。マックスポンダーのクライアント側のポートは、複数のインターフェイス プロトコルをサポートできますが、FPGA がコンフィギュレーションされるまで、どのプロトコルが使用されるかシステムで予測することは不可能です。FPGA をリコンフィギュレーションする必要がないようにし、すべてのポートがディスエーブルにならないようにするには、ネットワーク接続された複数のインターフェイス に示すように、すべてのインターフェイス プロトコルをすべてのポートにインプリメントする必要があります。

図 1. パーシャル リコンフィギュレーションを使用しない場合のネットワークの切り替え

各ポートで使用できるのは 1 つの規格のみなので、このデザインは非効率的です。Dynamic Function eXchange を使用すると、ネットワーク接続された複数のインターフェイス に示すように各ポート インターフェイスを RM にすることにより、より効率的なデザインを作成できます。複数のプロトコル エンジンを 1 つのポートに接続するために必要だった MUX エレメントも不要になります。

図 2. パーシャル リコンフィギュレーションを使用した場合のネットワークの切り替え

この基本的な概念をさまざまなデザインで利用できます。ソフトウェア無線 (SDR) は、相互に排他的な機能を持ち、この機能を時分割することで柔軟性およびリソース使用率が大幅に向上する多数のアプリケーションの 1 つです。

ダイナミック リコンフィギュレーション デザインには、効率性以外にも利点があります。ネットワーク接続された複数のインターフェイス の例では、スタティック ロジック (スイッチ ファブリック) に影響を与えることなく、新しいプロトコルをいつでもサポートできます。1 つのポートに新しい規格を読み込んでも、ほかの既存ポートには影響はありません。追加の規格を作成してコンフィギュレーション メモリ ライブラリに追加できるので、デザイン全体を再設計する必要はありません。これにより、スイッチ ファブリックおよびポートのダウン タイムを削減でき、柔軟性および信頼性が向上します。デバッグ モジュールを作成することもでき、ポートでエラーが発生した場合に未使用のポートを解析/修正ロジックと共に読み込んで、リアルタイムに問題を対処できます。

ネットワーク接続された複数のインターフェイス の例では、各プロトコルのターゲットとなる各物理ロケーションに対し、パーシャル BIT ファイルを生成する必要があります。パーシャル BIT ファイルは、デバイス上の物理的な領域に関連付けられます。この例では、4 つのロケーションでそれぞれ 4 つのプロトコルに対応するため、16 個のパーシャル BIT ファイルがあります。