Vivado Design Suite とは - 2023.2 日本語

Vivado Design Suite ユーザー ガイド: 入門 (UG910)

Document ID
UG910
Release Date
2023-10-18
Version
2023.2 日本語

AMD Vivado™ Design Suite は、デザインの生産性を改善するためのツールです。AMD UltraScale™ 7 シリーズ、および AMD Versal™ デバイス、AMD Zynq™ UltraScale+™ MPSoC および AMD Zynq™ 7000 SoCs を使用したシステムの設計、統合、インプリメンテーションにおいて全般的な生産性を向上するように構築されています。AMD デバイスの大規模化が進み、スタックド シリコン インターコネクト (SSI) テクノロジ、最大 28 GB の高速 I/O インターフェイス、マイクロプロセッサおよびペリフェラル、アナログ ミックスド シグナルなどのさまざまな新技術が含められるようになりました。大規模で複雑なデバイスが適切に処理されないと、さまざまなデザインの課題が生じる可能性があり、その結果タイム トゥ マーケットが遅れ、生産性も高めにくくなります。Vivado Design Suite を使用すると、配置配線ツールを使用してデザイン インプリメンテーションを高速化できます。このツールでは、タイミング、混雑、ワイヤ長、使用率、および消費電力などの複数同時に存在するデザイン メトリクスが分析的に最適化されます。Vivado Design Suite では、デザインの各段階でデザイン解析機能が提供されています。これにより、スケジュール全体への影響が小さいデザインの早期段階でデザインおよびツール設定を修正できるため、繰り返し作業も減り、生産性も向上します。

Vivado Design Suite は ISE Design Suite に変わるツールです。Project Navigator、Xilinx Synthesis Technology (XST)、インプリメンテーション、CORE Generator ツール、Timing Constraints Editor、ISE Simulator (Vivado シミュレーター)、Vivado™、Chip Scope Analyzer、 Power Analyzer、FPGA Editor、PlanAhead デザイン ツール、SmartXplorer などの ISE Design Suite のツール機能がすべて含まれています。これらの機能はすべて、共有の拡張型データ モデルを使用して直接組み込まれています。Vivado Design Suite は拡張型データ モデルを基に構築されているので、中間ファイル形式に書き込んだり変換したりせずにメモリで実行できるので、ランタイム、デバッグ、およびインプリメンテーションが速くなり、メモリ要件が軽減されます。AMD Vitis™ IDE は Vivado から起動できます。これはエンベデッド プロセッサ用のエンベデッド ソフトウェア アプリケーションを開発するために設計されています。

Vivado Design Suite ツールはすべて、ツール コマンド言語 (Tcl) インターフェイスを使用して記述されています。Vivado Design Suite のグラフィカル ユーザー インターフェイスで Vivado 統合設計環境 (IDE) で使用可能なコマンドおよびオプションはすべて Tcl で実行できます。また、Vivado Design Suite では、ツール コマンドおよびオプションだけでなく、レポートされるデザイン データおよびコンフィギュレーションも確認しやすくなっています。

Vivado Design Suite は、次を使用して実行できます。

  • Vivado IDE での GUI ベースのコマンド
  • Vivado IDE の Tcl コンソールまたは Vivado IDE 以外の Vivado Design Suite Tcl シェルに入力される Tcl コマンド、または Vivado IDE か Vivado Design Suite Tcl シェルのいずれかで実行される Tcl スクリプト ファイルに保存される Tcl コマンド
  • GUI ベースと Tcl コマンドの混合

Tcl スクリプトには、デザインの合成およびインプリメンテーション フロー全体に適用される Tcl コマンドを含めることができます。これには、デザイン解析用に生成される必要なレポートすべても含まれます。