この手順では、開いたデザインで report_qor_assessment
コマンドを実行します。この手順は、synth_design
、opt_design
、place_design
、phys_opt_design
、route_design
など、インプリメンテーション プロセスのどの段階でも実行できます。これにより、デザインのタイミング クロージャの可能性を詳しく示す評価スコアと、さらに調査が必要な項目がすばやく解析されて返されます。
- デザインが開いた状態で、 をクリックします。
-
Report QoR Assessment ダイアログ ボックスで Report Passing Metrics をオンにし、OK をクリックします。
同等の Tcl コマンドは次のとおりです。
評価レポートが開き、次の 3 つの主なセクションが表示されます。report_qor_assessment -exclude_methodology_checks -name qor_assessments -max_paths 100 -full_assessment_details
- 評価サマリ
- 調査が必要な困難なタイミング パス
- ツール最適化を防ぐ DONT_TOUCH プロパティの付いたオブジェクト
- レポートの最初のセクションで RQA
Summary を選択します。
このセクションのスコアは 2 - Implementation may complete. Timing will not meet と記述されています。また、
report_qor_suggestions
を実行することも推奨されます。RQA コマンドは、推奨項目がいつ生成されるか理解して、それらをチェックするガイダンスを提供します。 -
Assessment Details をクリックします。
このセクションでは、評価スコア 2 の原因となった項目がリストされます。Report passing metrics オプションをオンにしたので、「OK」とマークされた項目が表示されます。通常は、REVIEW とマークされた項目のみが表示されます。この例では、REVIEW とマークされた WNS および TNS メトリクスと、ネット/LUT のバジェットを超えるパスが表示されます。
通常、タイミング パスは最善のシナリオで達成可能な値を表示します。すべてのパスがこれらの値を達成できるわけではありません。ネットおよび LUT のバジェットは、より一般的な値を使用してネットまたは LUT の代替値をチェックするほか、ネットリスト プロファイルまたはリソースのスパース性が低いことが原因で困難であるパスにペナルティを付けます。結果は、この項目下で実行された 2 つのチェックになります。続行する前に、これらのパスをすべて確認してください。
-
Challenging Timing Paths の下の Net/LUT budget をクリックします。
画面をスクロールして、レポートされたすべてのパス特性を確認します。次の項目に特に注目してください。
- SuggestionIds
- これらの ID は、トリガーされた場合にこのパスに影響を与える推奨項目に対応します。
- Net Check Slack
- これは、パスがより高いネット遅延値で置換される場合のスラックです。
- LUT Check Slack
- これは、LUT がより高い LUT 遅延値で置換される場合のスラックです。
- パスをダブルクリックして、その Timing Path レポートを表示します。F4 を押すと、回路図を表示することもできます。これらの項目はすべて、Vivado のクロスプローブを使用します。レポート内のほかの項目を確認してみてください。
-
Design Runsウィンドウで impl_1 を選択し、Implementation Run Properties ウィンドウを展開して、Properties タブをクリックします。MIN_RQA_SCORE プロパティを見つけます。
MIN_RQA_SCORE プロパティが設定されている場合、RQA が実行され、評価スコアの値が指定値よりも小さいと、インプリメンテーション run が終了することがあります。RQA スコアの最小値は 1 であるため、run が終了しないようにするには MIN_RQA_SCORE を 2 またはそれ以上に設定する必要があります。
MIN_RQA_SCORE の値を変更し、これを 3 に設定してください。
- 次に、インプリメンテーション run は QoR 評価レポートを生成する必要があります。
[Implementation Run Properties] ウィンドウで、Reports タブをクリックします。Report Strategy プルダウン メニューから Timing Closure Report Strategy を選択します。この方法では、run を設定してすることによりレポートを生成しています。この他に、次の方法も利用できます。
- カスタム レポート ストラテジを作成する。
-
report_qor_assessment
を Tcl フックに追加する。これを有効にするには、run ディレクトリでレポートを生成する必要があります。
-
impl_1 run を開始します。
opt_design
が完了するとreport_qor_assessment
コマンドが実行され、run が終了します。Design Runs ステータス列は、次のように表示されます。
ログ ファイルには次のメッセージが含まれます。
フローがチェックに合格すると、次のメッセージが表示されます。INFO: [runtcl 7-1] RQA Score (opt_design): 2 (RQA score tolerance: 3) ERROR: [runtcl 8-1] Flow terminated - RQA score threshold not met after 'opt_design' step
INFO: [runtcl 7-1] RQA Score (opt_design): 2 (RQA score tolerance: 2) INFO: [runtcl 9-1] Flow continues - RQA score threshold met after 'opt_design' step
- MIN_RQA_VALUE を 1 に変更します。レポートを Vivado Implementation Default Reports に戻し、run をリセットします。